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【第22回】 配信リストとして「リスト」と「データエクステンション」のどちらを使用すべきなのか?

99.9 %は「データエクステンション」です。…で、終わってしまうので、少し深掘りしておきます。

正直、私は「リスト」を配信リストとして使用したことが、過去に 1 度もありません。「リスト」の機能を拡張する目的で作られたのが「データエクステンション」という理解かと思いますので「データエクステンション」を使うのがベストプラクティスです。

但し「リスト」の理解は、実運用では使用しなくとも、認定試験などで問われる可能性がありますのでその理解は深めておきましょう。

まず Trailhead には、下記のような整理がされています。

■ リストを使用する状況
・リストの購読者数が長期的にみても、50 万人を超えない場合
・パフォーマンスよりもシンプルさを重視する
・迅速なインポートを必要としない場合
・限られた数の購読者の属性を使用する予定である

Trailheadより

■ データエクステンションを使用する状況
・リストの購読者数が 50 万人を超える場合
・グローバルメッセージを送信する場合
・迅速にインポートする必要がある
・トリガによる送信を実行する
・SOAP または REST API を使用する
・柔軟性の高い購読モデルを好む場合
・購入履歴や場所参照などのリレーショナルデータを活用したい場合
・複数の購読者データセットをサポートし、それぞれ異なる値が保持されている場合

Trailheadより

この整理されたものは、Salesforce の公式としての内容ですから、ベストプラクティスとなります。あくまで推奨ですので、厳密に守る必要はありませんが、認定試験を念頭に頭に入れておいて下さい。

こちらの内容を紹介して記事が終わったのでは、この記事を書いた意味がないので、一応、この公式の資料の他で、私の理解している「リスト」と「データエクステンション」のそれぞれの特徴についても書いておきます。こちらは公式ではないので、参考までに。

■ リストの特徴
・50 万レコード以内で使用する
・購読者のデータを 1 人 1 レコードで格納するもの
・購読者を格納するリストにのみ使用できる
・インポート処理速度が遅い(およそ 1 時間当たり 50 万レコード)
→ 理由としてはリストへのインポート時は List Detective が働くため(※ List Detective とは、Marketing Cloud が独自に持っている不正なメールアドレスのデータベースと照らし合わせて、問題があればリストから自動で除去する機能のこと)
・レコードを 1 件ずつ、手動で追加登録できる
・インポートアクティビティが使える(会社が持つ独自の購読ステータスをパブリケーションリストに日次で自動インポートする場合などで使用する)
・トリガーによるメールが使える( API コールによるメール)
・最大 4000 文字の値をフィールドで保持できる

■ データエクステンションの特徴
・50 万超のレコードで使用する
・同じ 1 人でも、複数のレコードを持つことができる
・購読者リスト以外にも使用できる
・インポート処理速度が早い(およそ 1 分当たり 10 万行程度のスペック)
追記:Summer '23 の機能改善でさらにスピードが上がったと思います。
・レコードを 1 件ずつ、手動で追加登録できる(Contact Builder から行える)
・インポートアクティビティが使える
・トリガーによるメールが使える
・最大 4000 文字の値をフィールドで保持できる
・Contact Builder でテーブル間のリレーションを設定できる

Trailhead の内容と一部重複していますが、重複していない部分はプラス α の知識として覚えてみてください。

ちなみに、ある海外の記事で「リスト」を配信リストとして使用する場合はどんな時ですか?という問いに対して

・迅速にローンチする必要があり、時間が取れない場合
・SQL などのスキルがない場合

などが挙げられていました。なるほど、納得です。但し、これで終わるならわざわざ高額な Marketing Cloud を買わなくて良いですよね。

今回は以上です。


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