失くしたもの

失くしたものを探しに
靴底の擦り減ったサンダルを履いて
重たい扉を開ける

初夏の夜の風は
まだ少し冷たくて
ほんのり甘い香りを纏っている

失くしたものの記憶の中を
迷いながら
ゆらゆら漂い流れる

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