内側の感情
言葉に成らず内側に溜まった感情が
夜の街に迷い込んだ野良猫の様に
身体の中心から末端へ末端から中心へ
血管を通り行ったり来たりする
血液に流されながら感情は赤く塗れ黒く澱み
泥々になりそれから真っ黒な塊となり
血の流れを少しずつ止めて遂には血管を塞ぐ
ふらつく身体をなんとか支えようと手摺に捕まるも
全身が痙攣し間も無く意識が遠退き
呼吸が止まり
視界が真っ暗になる
真っ黒な塊が食道から喉元を一気に昇り
口から湧き出て身体の外側に雪崩れると
朧月の柔らかい光に溶けて夜に消える
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