詩 「俯く」

流れ星を知らぬ彼は
狭い空の下
俯いて硬い道を歩く

空気の重たい夏も
空気の澄んだ冬も
足音を立てぬよう
草花を踏まぬよう
ゆっくり行く

水たまりを跨ぐ一歩の静かな響きで
初めて雨に気づく
空を見上げる

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