何もなかった日

何もなかった日なんて一日たりともないのに
ほとんど日々が何もなかった日として過ぎていく

散り終わりの桜の木を眺めた日や
曇り空の下で汚れた靴を洗った日や
昼間の空いた電車内で詩を読んだ日が
記憶と記憶の狭間にゆっくり融ける

なんでもない一日が終わり
なんでもない一日が始まる

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