吐く息の白さ

吐く息の白さは、
雪解け水の様に冷たく、
深海水の様に暗く、
果実が含む水の様に柔らかい。

吐くたびに、
白と白とが交錯し、
白くない息を吸う。

乗るはずの電車を一本見送る。

次の電車が来るまでの間、
穏やかだった気持ちが揺れそうになるのを、
哀しみで抑え支える。

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