詩 「地獄」

急勾配の下り坂みたいな日々を
両手一杯ブレーキを握りしめて
成る可くゆっくりゆっくり下る

果てしなく続く坂道の終点は見えず
逸れたり逃げたりする脇道もない
ただひたすらに暗闇が広がる

向かい風は生暖かく
仄かに甘く
仄かに苦い
香を纏っている

淡々と着実に
そしてまったく緩やかに
地獄へ向かう

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