車内の喧騒

真っ暗な車窓に見える自分と自分以外の人間を
横目で見比べると
自分だけが難しい顔で分厚い本を読んで居て
自分以外の人間が動物みたいに仲間同士戯れている

混み合った車内で自分と自分以外が
隣り合い交じり合い重なり合う
ぶつかり合い混ざり合い融け合う

人混みの隙間から見えた向こう側の車窓に映る
自分が自分以外の人間に見えて
すると何故か過呼吸になる

必死で手元の活字を吸い込み
何度も読んだ好きな詩で深呼吸する

それから少しして
呼吸が元に戻った頃
目の前を電車が通り過ぎる

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