未だ見ぬ流れ星
神様にも
仏様にも
お願いしたことがない
母にも
友にも
打ち明けたことがない
ずっとずっと昔から
心の中に仕舞っている
たったひとつの願いがある
その願いは
流れ星が夜空に流れたら
流れるのを見つけたとき
お願いすると決めている
そう
それなのに
住む東京の夜空は狭く明るく霞んでいるから
猫背で石に躓かないよう俯きがちに歩くから
生まれてからまだ一度も流れ星を見たことはない
それでも
未だ見ぬ流れ星は
明日を生きる希望で
今日死ねない理由で
わたし自身なんだ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?