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光を探していた
昔、幼い頃に兄と見た光を

その光は
地球より大きいのに祖母に買ってもらったサッカーボールより小さくて
空より遠いのに幼稚園より近くて
風より速いのにお下がりの三輪車より遅くて
太陽より明るいのに裏山に作った秘密基地より暗くて
その光を秋から冬に移りゆく季節に毎年探していた

探しても見つからなかったその光は探すのをやめた年の秋の夜、寝床に就いてから突如瞼の裏に現れた

その日はとても寒い一日で
凍えながら薄い毛布に包まって
暗い寝室でひとり光を求めていた

その夜以降
一日がなんだか長くなったような気がする

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