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2.エチオピア・モカ

2回目の焙煎で使った豆は、これまた定番エチオピア・モカ。(200g購入したので、100gを2回に分けて焙煎。正確には2、3回目ということになる)珈琲の起源、原点、源流、であるエチオピアを思い、焼く。ただ行ったことはない、だからこそ思うのだ。中煎りを目処に、華やかな香りとベリーのような味わいを鼻口で想像しながら、手網を振る。気温が低いからか、火力が弱いからか、中々爆ぜない。ようやく1ハゼが起きたのが、10分以上過ぎたくらいから。急がない、ゆっくり、タイマーより豆に目を向けて。2ハゼは右手も疲労感を覚え始めた14分くらいから。豆の声に耳を澄まし、豆の顔色を伺い、豆の声を聞き逃さないようにさらに耳を澄ます。此処。火を止めた横で、タイマーは16分30秒を示す。ざるにあげた豆は、最初の想像よりずっと黒い。思うようにいかない歯痒さを掻き消すように扇子を扇ぐ。前回より焼きムラは減ったが、目標より深くなってしまった。深く焼いた分、モカの香りも味も煙となって消えていってしまった。深煎り好きとしては、嫌いじゃないけど、美味い珈琲ではない。ただネルよりペーパーで淹れたほうが良いなと。これもまた発見。正解はないけれど、間違いはある。間違えた分、正解に近づく。間違えなければ、正解には辿り着かない。矛盾している。珈琲は矛盾だらけ。矛盾を抱えた分だけ、深みが生まれる。

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