詩 「泳ぐ」

息を止めて
海の中に
飛び込んでから
幾つかの波が流れた

泡のひとつひとつが
風船みたいに水面に向かって
浮かび上がるのを
沈む眼に映った

海の底の方から
冷たくて硬い声が聞こえて
ほとんど溺れながら
声の聞こえる方へ泳いでいった

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