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すべり台からの景色

大人も子どもも誰もいない
平日の昼間の公園で
まだ終わってもいない
まだ始まったばかりの
今日一日のことを思う

今朝読んだ詩のことや
ランチタイムに観た映画のことや
これから食べようとする焼肉定食のことや
帰る前に寄ろうと思う銭湯の混み具合のことや
夏の暑さを纏った秋の空気のことを
時間をかけて思う

思考するスピードは緩やかになって
脳がお腹が空いたのに気づいて
思考は止まる

じっくり焼肉定食を平らげてから
行きつけの珈琲屋で珈琲を飲んだ
熱い珈琲を熱いと思う
熱い珈琲を飲んで温かいと思える日はまだ先のよう

さっき公園で見たすべり台を思い出して
すべり台の上からの景色を思い出そうとするが
どうしてもすべり台の上からの景色を思い出せない

それからは今日一日のことなんて
もうどうでもよくなった

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