週末のBloombergより
◆雇用は強いがそれ以外は弱いという微妙なバランスと据え置き示唆のFEDトークで、6月スキップ/7月利上げかも、という市場織り込みになった。
◆インフレが加速しているわけではないので7月までデータを見る余裕はあり、利上げは既に終了している可能性もある。但し年内利下げ転換を確信できるような材料はない。
◆累積的利上げ効果がゆっくりと出てきて景気減速は着実に迫ってきているので、最近の金利上昇により5年ゾーン(3.85%で越週)がイールドカーブ上で一番魅力的になってきた。
◆クレジットスプレッドはIG:138bp/HY:455bp。そろそろ格下げやデフォルトが増え始める頃なので、引き続き慎重であるべきとは思うが、スプレッド自体は概ねフェアな水準(イールド自体にも魅力あり)。
◆マーケットにとってあと1回25bp6月か7月に利上げするかどうかはもはやあまり重要ではない。
◆利上げがインフレ抑制効果を顕在化させるまで1~2年はかかる。特に昨年6~11月の4回にわたる+75bp利上げの効果がこれから出てくる。これまでの利上げの累積効果(景気減速度合い)の見極めが重要な局面。
◆サマーズ教授:利上げが十分に効いておらず、経済はまだ過熱気味。FEDにとって7月+50bp利上げに追い込まれるよりは、6月+25bpやっておいた方が安全。
◆債務上限問題は解決したが、今後数か月は政府のCASH復元のためにTBが大量供給される。基本的にFEDのリバースレポからのシフトで凌げるはずだが、TB金利は上昇し、民間経済(特に中小銀行)から流動性が大量に吸収されてしまうので注視が必要。ヘッジコストが高すぎるので海外からの買いは期待しづらい。
◆サマーズ教授:近年の米財政赤字急増がとても心配。国防費/気候変動対策/次の疫病/利払い負担など上振れリスクしかない。特にCBOの金利見通しは甘(低)すぎてとても危険。
◆AIはインターネット同様の生産性革命で、暗号資産と同様にエネルギーを大量消費する。セルフチェックの仕組みがなく出力内容の正確性が最大の問題だが、いきなり規制で手足を縛る(発展を阻害する)のではなく、産官学協働でガイダンスを積み上げていくべき。
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