見出し画像

聖徳太子本、国宝ロストワールド

聖徳太子は存在しなかったという本を読んでいたけれど、後半面白くなくてやっと読み終わる。本では、聖徳太子伝説は厩戸皇子が亡くなった百年後に藤原不比等と長屋王が最初の骨格を作った。作られたのは古事記(712)と日本書紀(720)の間。古事記では少ししか触れられてない厩戸皇子が日本書紀では聖徳太子として脚色されて描かれている。その後たくさんの施政者や有力者がええように解釈して太子信仰を作っていった。。。厩戸皇子が選ばれたのは、一族が入鹿に殺されたからでなんとでも書けたから。法隆寺の寺宝に関しては後で嘘を書き入れた。聖徳太子が作った像だと言われてるものなど沢山あるけど法隆寺は一度燃えてるんやからあるはずない。有名な国宝は釈迦三尊像は鞍作止利ってことにしたけど違う。。。という浪漫のない本やった。真実を暴くとまじめか!って気持ちにしかならんね。聖徳太子の陵墓もなんで調査しないねん。。。!と思ってる間が花なのか。古墳ってテレビで何度か見た開かずの金庫を鍵師を呼んで開けてみたけど大したものないーってのと一緒かな。


古墳の石室内に関しては白洲信哉氏に言わせると大体が鎌倉時代に盗掘されていていいものは盗まれている。埴輪が残ってるのは金にならなかったから、と言っててなるほど。。。確かに。。。と思ったわ。夢ないなーw


そして、こちら、「国宝ロストワールド」!!!この東大寺の大仏殿の写真、すごくない?ぼろぼろ。よく荒れ果てた寺を再興したみたいなのってパンフで読むけどこう言うことか。これは幕末の写真らしいわ。

画像1

この本は東大寺だけでなくいろんな国宝の過去の姿を見せてくれる。廃仏毀釈あたりの様子がよく分かってかなり面白い。黎明期の写真家についても詳しく書かれていて勉強になる。奈良国立博物館のミュージアムショップで見て関心して帰ってからアマゾンで購入した。

画像2

土門拳が、「もし、昔に写真があったらという想像を拡げていくと、胸がわくわくするような興味津々たる記録写真、ポートレート、スナップなどが無数に目に浮かんでくる。それを思えば、今、ぼくたちに写真があるとということは仇やおろそかにできないだろう」と書いてるのが沁みる本や。そうそう、土門拳の文章、昔の人とは思えん生き生きした文体なんよね。カメラマンが文章書くとこうなるんかな?土門拳→篠山紀信→横木安良夫と続く若者文体のまま大人になっても気持ちで書き綴る文章やなー。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?