ボルボが気になる4つの理由2=死亡者・重傷者ゼロへ。自転車乗りの安全まで考えるクルマ
ボルボと言えば「安全なクルマ」と答える人は多いでしょう。
もちろん私もそう。ボルボ=四角くて堅くて頑丈なクルマ。例えば、クルマ好きの人なら、1990年代にツーリングカーレースで活躍していた240ターボのイメージが強烈でしょう。なにせ「フライングブリック=空飛ぶレンガ」と呼ばれていたぐらいですからね。名車として知られるオシャレなカメラマンご用達の四角いワゴン850エステートなんかも、ぶつかったら相手のクルマが吹っ飛んでしまいそう。
▼ボルボ240ターボのレースシーンを振り返る。
https://www.youtube.com/watch?v=JGVcL3SHsWE
【動画】フライングブリック、"空飛ぶレンガ"の再来!! ボルボ850エステート
https://web.motormagazine.co.jp/_ct/17054410
しかし、イマドキのボルボを調べると、どうやら次元が違う話のようです。
ボルボの公式サイトでも「クルマにおけるイノベーション『ドライビングの未来』人々の生活を一変させるボルボの方法とは」というページに、驚くべき目標を筆頭に掲げているのです。
私たちボルボは、以下のビジョンを掲げ、その実現に向け真剣に取り組んでいます。
新しいボルボ車での交通事故による死亡者や重傷者をゼロにする。
「そんなことできるのか?!」と思わずつぶやきたくなります。死亡者半減ならともかく、ゼロですからね。私が経営者だったら、怖くて、とてもそんな目標を公言できません。
https://www.volvocars.com/jp/why-volvo/human-innovation/future-of-driving
wikipediaのボルボカーズの説明にも「安全性の追求」という1項が設けられています。今では世界中のクルマで採用されつつある、自動ブレーキなどを標準装備したのがボルボだということは知っていましたが、3点式シートベルトもボルボだったとは.....
「ボルボ設計の基本は常に安全でなければならない」という理念の基、安全装備の開発、事故調査の実施と設計へのフィードバックを行う企業方針と、北欧メーカーであるためヘラジカとの衝突を開発段階から考慮しムーステストを実施することから、「世界一安全なファミリーカー」と評価されていた。
また、各種安全装備に関して特許の公開を行い、自動車の安全性に貢献した。例えば、1959年にボルボは3点式シートベルトを発明して特許を取得するも、安全は独占されるべきものではないという考えからこの特許を無償で公開した。このおかげで、3点式シートベルトは全世界の自動車に付いている装置とわりなった。
さらなる安全を目指して、2020年以降すべての車種で、スピードリミッターにより最高速度が180km/hに制限される
しかしながら、私の目をくぎ付けにしたのは、このテレビCМです。
長年の習慣で、毎晩、テレビ東京の経済ニュース「ワールドビジネスサテライト」を見るのですが、最近は、ボルボのこのCMがよく流れます。
https://www.youtube.com/watch?v=IVfN_egP4P0
クルマの広告なのに、なぜか自転車乗りが主人公。思わず目が釘付けになる映像です。ボルボは、周囲を走る自転車乗りの安全まで考えているのかと心打たれたのです。
はや10数年も自転車ツーキニストを続けてきた私。天気の良い日は、目黒区の自宅から墨田区の会社まで往復40キロ弱の道のりを、電動自転車(eバイク)で楽しく通勤してまいりました。
残念ながら、自転車ツーキニストにやさしくないクルマ、あぶない運転手が多いと痛感しております。昨年の1月、目黒通りと山手通りの交差点で、自転車で直進しようとした私の方に、ダンプが右折しかけてきて大転倒。肩鎖骨脱臼で手術までしなくてはなりませんでした。
もちろん、私もクルマを運転しますので、自転車専用レーンが無い日本では、自転車乗りが目ざわりなのは知っています。
でも、ボルボのCMでは、ドライバーにとって邪魔者扱いの自転車にまで配慮するという心遣い。こんなコメントがYoutubeに添えられています。
そもそものお話ですが、街はクルマだけのものではありません。歩行者やサイクリスト、ランナー、ペットたち、実に多くの人々が行き交っているのです。
街はみんなのもの。だからこそボルボは、クルマに乗っている人だけでなく、周りの人々の安全も考えたCitySafety を全車に標準装備しています。
「人」を守ること。「人の未来」も守ること。
なんてやさしいのでしょう。
3 年ほど前に、北斎展の仕事でスウェーデンの首都ストックホルムを訪ねた時、自転車ツーキニストの多さに驚き、感激したことを思い出しました。自転車通勤が盛んな国だからこそ、ボルボはいち早く自転車との共生という未来に気づいたのかもしれません。
もともとボルボ=安全だというイメージは、私の心に、しっかり心に刻まれていました。しかし、運転手・同乗者から歩行者へ、さらには自転車乗りへと、安全を考える対象が広がっていることを知り、時代の先の先を行っていると感じていたのです。