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教員のセルフスタディ

今日は、Self Study Teacher Research(Sage)の読書会に
アメリカから Anastasia P. Samaras 先生と
アイスランドから Megumi Nishida先生が参加してくださいました。

日本の教師教育はあまりにも世界各国の教師教育とかけ離れています。

それが教員のせいだとか、教育システムのせいだとか、
日本の教育が悪いとか、そういうことを言いたいのではなく、
その差異をきちんと見据えて、
日本の子どもたちの教育をこれからどちらの方向に持っていくかを
考えるべきであるということです。

日本の教育実践の中にはいい実践がたくさんあります。
それを広げていくにはどうしたらいいか。研究の始まりです。
どうもうまくいかないので、こうしてみました。研究の始まりです。
自分はそもそもどうして教員になったんだろう。研究の始まりです。
なぜ?だれが?どのように? 実践上の問いが研究の始まりです。

実践と研究の乖離を解決する切り札であるセルフスタディが、
日本の教育の現状に即した形で、きちんと導入される必要があるでしょう。

さて、セルフスタディという言葉は、既に国際的に意味が確立した言葉ですが、日本の教師教育の文脈で間違った形で用いられている場合があります。

私が監修した書籍『J.ロックラン に学ぶ教師教育とセルフスタディ』(学文社)も誤読されて紹介され、大変困っています。

※ この本は、教師教育の本ですので、当然、教師教育者のセルフスタディ(S-STEP)を中心に記述されています。でも、セルフスタディは当事者による研究全般を指す言葉であって、教師教育者の研究に限りません。誤読は、
セルフスタディが教師教育者によるものだという思い込みによるもので、書籍にはそのようには書かれていません。どうぞ注意深く読んでください。

さて、セルフスタディは、
 教員の実践を、教員自身が、セルフスタディのメソドロジーを用いて、
 クリティカルフレンドとともに、
 社会正義と教育の推進のため、
 専門職としての説明責任と
 エージェンシー(責任の感覚に基づく社会参画)のため、
 個人と教育プログラムの改善のために行う
 アクティブな研究です。

現場経験のある人のための研究方法ですので、
学部生でも長期インターンの経験などを研究にすることが可能です。
ただし、国際的な研究基準を満たすことが求められますし、
研究成果を一般化して、
他の教育者が活用できる形で公開しなければなりません。

日本人でその基準を満たした最初の教師(幼児教育)が、
一昨年来日して下さって、今日も参加して下さった
Megumi Nishida 先生です。

セルフスタディの参考文献は大変たくさんありますが、
始めようとする人が必ず読むべき基本書、
研究できるように具体的な手順が書いてある本が、
Anastasia Samaras 先生の本です。
Samaras先生の大学では、学部生が卒論を書くために、
この本をテキストとした授業を受けているそうです。

でも、研究のための研究や、自分のための研究、学会大会直前に口頭発表のためにちょろちょろと書くような研究は、セルフスタディにはなり得ません。

さらに言えば、セルフスタディを教える教師教育者は、
自らがセルフスタディで研究したことがある人に限られます。

アジアでは、お隣の国、韓国ですでに翻訳本が出て、
研究が始まっています。

日本でも、これから本格的に導入が始まります。いざ。


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