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みんなで完全燃焼〜YOSAKOIソーラン祭り2024 【週刊新陽 #163】

6月9日、札幌の初夏の風物詩『YOSAKOIソーラン祭り』が幕を閉じました。

第33回の大賞は「平岸天神」!!!
新陽高校のある澄川のお隣・平岸の伝統あるチームで、YOSAKOIソーラン祭りの出場回数は今年で30回。大賞受賞は7年ぶり11回目と歴代最多だそうです。

新陽の生徒や卒業生も踊り子として参加していて、本祭直前のお披露目に呼んでいただいたりパレード当日の朝練習に学校のグラウンドを使っていただいたり、とても身近なチームなので、悲願の大賞受賞は自分のことのように嬉しいです!平岸天神の皆さん、本当におめでとうございます!!


6回目のYOSAKOI

2017年からYOSAKOIソーラン祭りに参加している新陽高校。2020年、2021年とコロナで中断してしまったお祭りが再開して3年、私も校長として参加する3回目のYOSAKOIとなりました。

学校が出場するのは今年で6回目。一度は途切れそうになった「新陽ソーラン」も、先生や先輩たちの想いと共に託された法被によって受け継がれてきました。

法被は昨年からリユース。歴代のデザインが
混ざっているのも伝統の証です。
(photo by Kanade Kawamura)

今年は239名の1年生が、4チームに分かれて本祭へ出場。今年からハウスごとにYOSAKOIのチームが組まれました(新陽では、年次を超えた学校生活のベースとなる集団を「ハウス」と呼び、生徒は3年通して赤・黄・青・緑の4つのハウスのどれかに所属します)。

蒼天(赤ハウス)・群青(黄色ハウス)・青藍(青ハウス)・紺碧(緑ハウス)それぞれのチームを引っ張るのはYOSAKOIリーダーの生徒たちです。

入学して間もない4月中旬、今年のYOSAKOIがスタート。1年生全員が6月の本祭を目指し体育の授業や総合的な探究の時間などを使って練習しますが、様々な中学校・地域から集まった生徒同士、そんなにうまくいくわけはありません。

中学校などで南中ソーランを踊ったことがありすぐに振りを覚える生徒もいれば、ぜんぜん身が入らない生徒もいます。会場ごとによって違うフォーメーションやチームごとにアレンジした振り付けをリーダー生徒が説明しても、他の生徒に伝わらないこともしばしば。

よって2ヶ月間の練習期間には、泣いたり笑ったり怒ったり。でも、そういった経験を通してリーダー生徒は成長し、また、チームの結束も高まっていくのです。

そして迎えた当日、あとは全力でやるだけ!と、生徒たちは各会場へ向かっていきました。

出陣前の各チーム代表の先生方(緊張で表情固いw)
伊原先生@紺碧、小森先生@蒼天、
多田先生@群青、村上先生@青藍
当日朝、先生から1日の流れや注意事項の確認
そして激励の言葉が送られました。
最初に演舞する澄川会場へ向かう生徒たち
(photo by Kanade Kawamura)
観覧くださった皆様ご声援ありがとうございました!
なお青藍・紺碧パレードの南コース変更の案内が直前となり
皆様にご迷惑をおかけしましたことお詫びします。

伝統になるということ

新陽高校として6回目のYOSAKOI。始めた人たちの想いを継承し何かを続けるということの大切さを感じました。

それを特に感じたのは、各会場に来てくださった関係者の多さです。数を数えたわけではないのですが、今年はおそらく応援に来てくれた数が過去一番だったと思います。

保護者や卒業生のほか、連携企業の方や偶然このタイミングで札幌にいたという道外の知人も、わざわざ新陽のチームの演舞スケジュールをチェックして駆けつけてくれました。

そして今年はハウスごとにチームが組まれていることもあり、2・3年生の在校生が自分のハウスの後輩たちの演舞を応援しにきていました。

また、ボランティアとして参加していた2・3年生もいます。今年は41名もの生徒がボランティアに立候補し、地元・澄川会場の設営や運営を行ったり、各チームに帯同して給水や撮影など演舞する1年生のサポートをしたりしてくれました。

みんなが自分の持ち場で自ら考えて動いてくれたので、町内会の方々や一緒にいた新陽の先生たちが揃って「助かった!」「頼もしかった!」と絶賛。その様子を見て、サポートされた1年生がさっそく「来年はボランティアしたい」と言っていたほどです。

こうやって先輩から後輩へバトンが繋がり、また周囲から認知され応援していただく輪が広がり、気付けば「伝統」になっているのかもしれないな、と思いました。

澄川会場は設営・運営にも参加しています。
澄川会場の入り口ではボランティア生徒がお迎え
澄川会場の場内アナウンスも生徒が頑張りました
チーム帯同の撮影係にもボランティア生徒が。
すてきな写真をたくさん撮ってくれました!
(photo by Kanade Kawamura)

本気で挑戦した人が見える景色

伝統として受け継がれるものだからこそ、実は年々、葛藤があります。

それは、有志による出場ではなく、1年生が全員必須で参加する学校行事としてYOSAKOIソーラン祭りに出場することによるものです。

お祭りは本来、参加したいから参加するものだと思いますし、特にYOSAKOIソーラン祭りは企画運営を学生実行委員会が担うなど、自主的にそこに携わっている人が多いイベントだと感じます。そして33回の歴史の中で、本祭に向けて長い間練習し、強くて熱い想いを持って参加する方々が多いのもこのお祭りの特徴ではないかと思います。

そんな中で、きっかけは生徒の自主性ではなかったとしても、次第に主体的に取り組むようになれば、学校教育の一環としてやる価値があると思っています。

最初は「やりたくない」と思っていたとしても、先生たちの指導や声掛け、あるいはYOSAKOIリーダー生徒など周りの頑張りに引っ張られて、次第にやる気が出てきたり、自分なりに全力で踊ろうとしたりします。

ただ、残念ながら最後までそうなれないまま、当日を迎えてしまう生徒もいます。側から見て明らかに踊れていない状態(上手い下手ではなく)は、周りの生徒が真剣に踊っているからこそ目に付きます。

とはいえ、その子たちだってその子なりに努力したり、変化したりしていることがあり、教育としてはそこを見取り認めることも必要です。ただ、学校内部の行事ならそれでよくても、外部の、多くの人の想いや尽力によって成り立っている場において、どこまでそれが許容されるのだろう、と考えてしまうのです。

実行委員会や地域の方々、そして参加している他のチームの方々への感謝とリスペクトを我々は示せているのだろうか、と。きっと正解はないので考え続けるしかないのですが・・・

今年、チーム青藍を率いた村上先生が、練習の中で「やりたくない、と思う生徒もいるかもしれない。でも、自分なりに、みんなでYOSAKOIをやる意味を考えて参加してほしい。」と生徒に話してくれていました。

やりきってやっとわかること、やりきった人にしか見えないものがある。当日パレードまで踊り切った多くの生徒たちの表情を見れば、その体験が唯一無二のものであると分かりますし、入学して最初に対立を乗り越え一致団結して取り組む経験が生徒たちを成長させてくれるのも間違いありません。

だからこそ、みんなでそのやりきった時の景色が見られるよう、生徒一人ひとりをサポートする。私たちの使命はそこに尽きるのかもしれません。

▲当日の演舞の様子や生徒の感想をさっそく植田先生がshort movieにしてくれました!週明け、生徒玄関に続くホールでこの映像が流れていると、多くの生徒が足を止めて見入っていました。

【編集後記】
第33回YOSAKOIソーラン祭りは日曜日にフィナーレを迎えましたが、新陽のYOSAKOIはまだ終わりません!7〜8月は地域のお祭りがたくさんあり、数名から数十名の有志生徒が、お祭りの規模に合わせて伺います。各所で踊っていますので、もし新陽の法被を見つけたらぜひ声をかけてください!

生徒から回収した法被を片付ける先生たち。
クリーニングに出して、来年まで保管します。
裏方の先生たち、本当にお疲れ様でした!


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