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旬の桃を“みて・きいて・あじわおう”!7/24「うちたびクッキング」開催報告

7月24日、この日は4連休の中日でしたが、まだまだコロナ禍での遠出はちょっと心配な昨今。そんな中、大好評のオンラインツアーである「うちたびクッキング」では、元気にバーチャルツアーへ行ってきました!

この度、東の食の会が運営する「チームふくしまプライド。」とコラボし、全5回のシリーズで福島県の生産者さんたちをバーチャル訪問する『ふくしまファームツアー編』がはじまりました。第1回目である今回は、皇室献上桃の里・桑折町の桃農家「はねだ桃園」の“はねださん”こと羽根田幸将さんに会いに行きました。

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プログラムの様子を読んで、ぜひ皆さんもツアーへ参加した気分を味わってみてください!

【桃畑を散策してバーチャル桃狩りをしよう】

まずは、ももの生産量全国第2位を誇る福島県の、県北部に位置する桑折町の「はねだ桃園」へ、GoogleEarthを使って移動。

桃づくりにひたむきに取り組む、はねだ桃園3代目の幸将さんは桃だけに絞って栽培し、木や葉の枚数の管理、実のならせ方を徹底しながら、完熟桃を生み出しています。農産物の安全性を客観的に評価する国際認証「グローバルGAP」を準備から約1年半という異例の早さで取得もされています。

青空の下、緑が広がる桃畑に到着すると、はねださんが優しい笑顔で出むかえてくれました。さっそく桃畑の散策スタートです。

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最初に、前日おうちに届いた桃が実際に取れた木を観察。今回送ってもらった桃は、「ふくあかり」と「ぎょうせい(暁星)」という2種類ですが、実は収穫時期1週間くらいずれるため、2種類一緒に送れたのは奇跡とのこと!

次に、これから収穫をひかえた、ふっくらと丸い桃がなっている木も観察。見るからに美味しそうな桃が木になっている様子に、みんなわくわくが止まりません。

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「ふくあかり」は7年前にできた福島県限定の新しい品種で、よく見るとたてしま模様があるとのこと。自分の手元にある届いた桃をよく観察してみると、確かにたてしまを発見!「ほんとだ~」とみんなの声が響きます。

ここで、「桃の品種は全部で何種類くらいあるでしょう?」という、はねださんからのクイズが出されました。「8種類くらい?」という声が上がったので、そこから、8種類より多いか少ないか皆に手をあげてもらいます。

正解は……なんと100種類以上!桃の種類の系統図を見せてもらうと、色々な色の桃がたくさんのっていますが、品種の違いで色も味も違ってくるそうです。(この図の桃のイラストはなんと、はねださんが描いたそうです!こんなに上手な理由は後半のお話で・・・)

桃の種類

「きいろの桃は見たことある?」と問いかける、はねださん。
「黄金桃」という黄色い桃は8月のお盆の頃に収穫されますが、さっき見た桃と違うポイントは、袋をかぶせて日の光に当てないようにしているところ。日に当てると黄色にならないため、収穫2週間前位までは袋をかぶせておくそうです。

こんどは「袋の中の桃は今、何色でしょう?」というクイズ!

黄色?
赤?
それとも緑?

みんなう~んと考えていると……答えはきみどり色!ここから時間をかけて黄色へ変わっていくのですね。

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さらに、はねださんから美味しい桃の見分け方も教えてもらいました!そのあいだ、みんな手元の桃をじーっと見たり匂いを嗅いだり。

形は大きくて丸い桃が美味しく、横に広いひょうたんの形のものは、種が成長中にくっつかずに育って割れてしまっているので、えぐみがあるそうです。色は、桃のお尻の反対側である枝が付いていた部分がクリーム色であるものがおいしい証とのこと。

また、みんなからは桃のかたさと甘さに関する質問も。はねださんいわく、桃の収穫時期はおよそ6月下旬~9月下旬の3か月間で、品種によって時期は異なりますが、花が咲くのは全品種一斉で、だいたい4月半ば頃。そこから、収穫が早い品種は短期間で一気に水を吸って育つので実がやわらかくなり、収穫が遅い品種はゆっくり時間をかけて育つので細胞が密になってかたく感じるそうです。かたい=まだ甘くない、というイメージがありますが、それは品種によるので必ずしも比例しないとのことです。

はねださん、桃にまつわる色々なお話をしていただき、ありがとうございました!

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【旬の桃で絶品パフェを作ろう】

桃畑から一旦離れたら、おなじみ“れいこ先生”こと、明るく元気なキャラクターで大人気の料理家・山田玲子さんのクッキングレッスンの始まりです。今回はそのままでもおいしい桃をふんだんに使って、みんなが大好きなパフェを作ります!

まずは、うぶ毛がついている桃をきれいに水で洗ったら、桃を包丁でカットしていきます。主婦でも苦手という方が多い桃の切り方に、子どもたちが挑戦!

まず、お尻のくぼみに包丁の刃を当てて、ぐるりと1周させて切り込みを入れた後に、その切れ目を手でねじると簡単に2つに分かれます。種がついている方は、種の周りに包丁を立たせて1周すると、きれいに取れました。それぞれ半分にカットし、全部で4等分になったら、包丁でていねいに皮をむきます。

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透明のカップにコーンフレーク、その上に一口サイズに切った桃を入れ、さらにアイスクリームを乗せたら完成。あっという間に、見た目もかわいいパフェができあがりました!

「みずみずしくておいしいー!」とみんな最高の笑顔でパフェをもぐもぐ。旬の桃の甘み、アイスクリームのひんやりとした冷たさ、コーンフレークのサクサクとした食感が口いっぱいに広がります。

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桃はやわらかくデリケートなため、むき方が難しいのですが、今回教えてもらったれいこ先生のやり方なら実がつぶれることなくきれいにむけました。ぜひ皆さんも試してみてくださいね。

【もっと桃のことを学んで“桃博士”になろう】

クッキングが終わると、再びはねださんの桃畑へ。

「おいしく作ってくれてありがとう」と、はねださんも笑顔がこぼれる中、今食べた美味しい桃の秘密をさらに深掘りしていきます。

桃の収穫時期は1年のうちの3か月程度ですが、雪が積もる冬には、余分な枝を切る作業があるそうです。桃は1年前に伸びた茶色の枝にしか実がつきません。今年伸びた枝は緑色で、よく見ると葉っぱの根本に桃のあかちゃんである芽がついていて、それがふくらんで春に花が咲き、来年実となるのです。約10センチメートルの枝に芽は10個ほどつきますが、途中で形が悪いものはどんどん落とす「桃のオーディション」をするため、最後に実になるのは1個だけ!このように、1年を通じて桃は大事に育てられているのですね。

桃園の春夏秋冬

ここからは質問タイム。
「ふくあかりのしましま模様はどうしてあるの?」「黄色い桃は中身も黄色ですか?」「よくない桃はどうするの?」などのたくさんの質問に、はねださんが一つひとつ分かりやすく丁寧に答えてくれます。

ここで「桃の木の寿命は何年でしょう?」というクイズが、はねださんからまたまた出題されました!

「5年くらいかな?」「たぶん12年くらいじゃない?」という声があがりましたが、正解は約20年。10~15年目あたりがいちばん盛んで、1本の木から400~500個ほど収穫できるとのこと。“桃栗三年柿八年”という言葉がありますが、ある程度の量が取れるようになるには3〜4年くらいかかるそうです。

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最後に、はねださんが桃農家になった理由をお聞きしました。

「実家が祖父の代から桃農家をやっていて父が継いでいたのですが、6年前に体調を崩しました。4人兄弟で話し合った末、自分が継ぐことになりました。それまでは、山形の大学で美術の先生になるために勉強したり、少年自然の家で働いていたりしていたのですよ。」と、答えてくれました。

実は今回送ってもらった桃には素敵なメッセージカードが添えられていたのですが、そこに描かれた桃のイラストや、先ほど桃の種類を説明してもらった時の絵は、はねださんご自身が描かれたそうです!

「みんな、今日は来てくれてありがとう!桃を食べて喜んでくれる人の姿があるから頑張れます。まだ旬の時期は続くので、みんな桃を食べて元気に夏を乗り越えましょう!」はねださんの優しい笑顔と分かりやすい説明を通して、すっかり桃博士になれた半日でしたね。

みんなからの「とっても美味しかった!」「ありがとうございました!」という元気な挨拶で、今回も楽しい旅が終わりました。

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【みて、きいて、あじわって、探究心を育もう!】

この春からスタートした小学校の新しい学習指導要領では、「社会に開かれた教育課程」や「主体的・対話的で深い学び」などがキーワードとなり、教科の枠をこえて実生活と結びついた自立的な学びが大切と言われています。学校をとびだして様々な世界にふれることは、子どもたちの視野をひろげる上でとても重要でしょう。

うちたびクッキングでは、生産者さんから届いた新鮮な食材を「見て」、農場をバーチャルツアーしながら色々なお話を「聞いて」、簡単でおいしい旬のレシピをおうちで「味わう」ことで、五感を使いながら主体的に学ぶ“探究心”を育むことができます。

生産者さんに直接質問もできるこのプログラムは、これから始まる夏休みの自由研究テーマにもぴったり!

オンラインで気軽に参加しながら貴重な体験ができる「うちたびクッキング」は、次回8/2(日)会津若松市の農家・長尾康大さんを訪ねて夏が旬の「枝豆」について探究します!イベントの詳細は、こちらをご覧ください。

うちたびクッキング・ふくしまファームツアー
https://uchitabi-fukushima2020.peatix.com/

ぜひ、ご一緒に楽しい旅に出かけましょう!

(文:中務彩夏)

◇◇◇

【うちたびクッキング協力者情報】

■福島県桑折町 はねだ桃園・羽根田幸将さん
ポケマル:https://poke-m.com/producers/18605
うまいもんドットコム:https://www.umai-mon.com/user/shop/4365

■玲子ちゃんねる
山田玲子先生のお料理動画。お子様や在宅ワークのお父さんも作れる超簡単なレシピが揃っています。
https://www.youtube.com/channel/UCAi5_kR9SJuzsXWya4S800g

■東の食の会/チームふくしまプライド。
一般社団法人東の食の会は、東日本の食文化を世界に発信することを目指し、販路のマッチングや、商品プロデュース、人材育成を行う2011年6月に設立された団体です。東北から新しい食のブランドがどんどん生まれる状態にすることを目指し、三陸の水産業や福島の農業のプラットフォームを創り、運営しています。
東の食の会:https://www.higashi-no-shoku-no-kai.jp/
チームふくしまプライド。:https://team-fukushima-pride.com/


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