学習する学校で生まれる心理的安全性〜アワード入賞のご報告 【週刊新陽 #60】
先週の水曜の新陽高校は、朝一番に「トイレの水が流れません!」という衝撃の連絡でスタート。既に生徒たちは登校してきていたのですが、断水のため、この日は急遽休校になりました。
その後、オンライン授業でしのぎながら、なんとか水道復旧できたので火曜日から学校を再開。その間、地下鉄・自衛隊前駅、澄川小学校、澄川中学校、札幌大学など近隣の施設の皆さまに大変お世話になり、あらためて地域のつながりのありがたさを感じました。
5日ぶりに生徒が登校すると、そこにいたのは北海道テレビ(HTB)のマスコットキャラクター「onちゃん」(笑)。1日体験入学で授業に参加したり、部活を応援したり、生徒と一緒に踊ったりしてくれました。
普通の高校らしくないことばかり起こる新陽ですが、さらにこの日は嬉しいサプライズが・・・
『心理的安全性アワード2022』にてシルバーリング賞を受賞し、その表彰式が行われました!
心理的安全性アワードとは
『心理的安全性アワード』とは、株式会社ZENTech様が開催する心理的安全性づくりに取り組むチーム・組織を讃える祭典です。
第1回となる今年は、企業・病院・学校・NPOなど多様な業種から89の取組が寄せられたそうで、一次・二次・最終選考を経て16チーム(プラチナ賞2チーム・ゴールド賞5チーム・シルバー賞9チーム)が選ばれました。(受賞チーム一覧はこちら▼)
誰もが知っているような有名な企業の名前も並ぶなか、学校組織として唯一、新陽が選ばれたことはとても光栄で、誇りに思います。
エントリーのきっかけ
今回応募したきっかけは、新陽に来られた方々が幾度となく「心理的安全性が高いと感じる」とおっしゃること。特に、大抵の方はフリーアドレスの職員室に驚き、あちこちで会話や笑いが起きていることに「職員室じゃないみたい」と言います。
先日、オンラインだけで1年以上やりとりしていた方が初来校した時も、「画面越しで雰囲気の良さは感じていたけど、職員室に居て分かる空気感がすごくいい。これは来なくちゃ分からなかった!」と感想を聞かせてくれました。
あまりに様々な方から関心をお寄せいただくので、少しでも他校の参考になればと、今年2月に開催された『先生の学校』のオンラインイベントで新陽の「学習する学校」の取り組みを紹介することに。
すると、話した内容が書き起こされたログミーの記事を読んでくださった方から、「心理的安全性アワードというのがあるから新陽で応募してみてはどう??」とURLが送られてきました。
「心理的安全性を高めよう」と掲げていたわけではないけど、「話しやすさ・助け合い・挑戦・新奇歓迎」は普段から心がけている。ならば自分たちのやっていることが外部からどう評価されるのか、試しにエントリーしてみようか。最初はそんなノリで一次審査用のフォーム準備にかかりました。
フォームを書きながら心理的安全性という視点で取組を再整理したり、二次審査でZENTechの方からヒアリングしていただいたり、最終審査のための動画作りであらためて新陽の先生からコメントをもらったり・・・私にとってはこのプロセスがとても貴重な経験となりました。
その結果、シルバーリング賞を受賞できたことは、さらなる喜びです。
関係者の皆さま、本当にありがとうございました!
学びの場に不可欠な心理的安全性
今回のアワードの最終選考に向けて動画を作っている時、「多様な生徒一人ひとりが自分らしく学ぶために、学校という学びのコミュニティが心理的に安全であることは不可欠。」と語ってくれた先生がいました。
そして「先生たちの心理的安全性が担保されていることは、笑顔で生徒たちに接することができる大前提。そこから、先生と生徒や生徒同士の心理的安全性が生まれると思う。」と。
また、「高校生にとって一番身近な社会人は先生。その先生たちの組織が、心理的安全性が高いという状態を感じ取ってもらうことは生徒たちの学びになると思っている。また、それを先生たちが意識することでクラスや授業の心理的安全性が高まるはず。」というコメントをくれた先生もいました。
学校というのは、とにかくイレギュラーなことがたくさん起こる現場です(先週の新陽がまさに・・・笑)。そういう組織ではチームワークや柔軟性が問われます。「教育を再創造する」というミッションを掲げ、新しいことに常に挑戦しようとする新陽においては特に、互いを信頼し、助け合うことが大切。
逆に、心理的に不安な環境では、挑戦や創造なんてとてもじゃないけどできません。お互いを認め合い、助け合い、挑戦を後押しするような環境でこそ、人は深く学ぶことができるのだと思います。
ちょっとした事例が誰かの役に立つかもしれない
心理的安全性アワードのエントリー募集のページには
「あなたの職場のちょっとした取り組み事例の共有が、社会の一隅を照らすかもしれません。ぜひ、あなたの事例をお待ちしております。」
とありました。
それを読んで、心理的安全性が高い組織ではなく、心理的安全性づくりに取り組む組織の事例を讃える祭典であることがとてもいいなと思いました。
良いチームや良い組織をつくるには、組織や人が経験から学び、学習し続けることが重要です。そして人は、事例を通して他人の経験からも学べます。でも、他の組織の、まして別の業種の事例を知ることは、意外と簡単ではありません。
ジャンルや地域を超えて、参考となる事例がシェアされることで、様々な組織や人が心理的安全性について学ぶことができるのだと思います。
私たちもさらに学びを深めるために、アワードを受賞した他の組織・チームの取り組みを参考にさせていただいたり、これをきっかけに各地の学校と繋がったりできたら嬉しいです。
▼入賞のお知らせ(本校Webサイト)
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