エージェンシーを育む出会いと原体験 〜SAPPORO PLACEMAKING LABO始動 【週刊新陽 #107】
4月25日発売のForbes JAPAN(2023年6月号)の「INNOVATIVE EDUCATION 30」に新陽高校が選ばれました!
イノベーティブ・エデュケーション30は、Forbes JAPAN初の教育関連誌面企画&教育アワードで、小中高校、教育委員会、有志プロジェクトを対象に、子どものために教育改革を起こし続ける組織・団体が選ばれたとのこと。とても光栄に思うのと同時に、あらためて新陽の取り組みへの期待を感じて背筋が伸びます。
これは、現在の新陽だけでなく、1958年の建学以来築かれてきた歴史や文化そのものを評価いただいたものであり、すべての生徒や卒業生・保護者・教職員のおかげです。
これからも変わらずみんなで挑戦し、一歩一歩前進していきたいと思います。
挑戦が育むエージェンシー
Forbes JAPANイノベーティブ・エデュケーション30のキーワードの1つが「エージェンシー」。エージェンシーとは、OECDが提示している概念で「変化を起こすために自分で目標を設定し、振り返り、責任を持って行動する力」のこと。主体性に近いものとも言えそうです。
新陽が大切にしている多様な出会いと原体験も、このエージェンシーを育む挑戦の機会となると考えています。そして、この出会いと原体験を生み出してくれそうな場がまた1つ、札幌で立ち上がりました。
それが『SAPPORO PLACEMAKING LABO』です。
この札幌のプレイスメイキングは、2019年にアイデア出しのライブドローイングから始まり、2021年には実行委員会による『都⼼まちづくりプラットフォーム公共的空間活⽤プロジェクト』を大通公園で実施。
新陽の有志生徒も参加し、それぞれの「やりたい」を形にしました。
心地いい居場所を自分たちで創る
2021年、2022年の実証実験を経て、この度いよいよ始動する『SAPPORO PLACEMAKING LABO』は、札幌都心部の公共的空間を創造・運営し、魅力を活かした「日常」をクリエイトするための組織です。
持続的にこれらの事業を行なっていくため法人化する予定(私も役員として関わらせていただきます)。
・空間創造
・プロセス構築
・知の共有
の3つの基幹事業を通して、行政・企業・教育機関・地域などが有機的につながることを目指しています。札幌市が『まちづくり戦略ビジョン』で掲げている都心の将来像も見据えて、官民連携で実験的に検証していきます。
さらに、プレイスメイキングを通した人材育成や中高生から大人まで世代や領域を超えてイノベーションを起こす仕掛けも視野に入れているのがこのLABOの特徴。ぜひ新陽の生徒たちにも、自らアイデアを出し、アクションを起こしてほしいと思っています。
課外プログラムで一歩踏みだす
PLACEMAKING LABOの特徴であり、学校が関わる意義があると感じる1番のポイントが、「Do(実行する)」を大事にしていること。新陽には「何かに挑戦したい」という意欲を持って入ってくる生徒も多いので、その機会を可能な限り提供したいと思っています。
先日も連携企業様や協力企業様のおかげで、いくつか課外プログラムを生徒に紹介することができました。
一つは海外留学。新陽では近年AFSの留学生を受け入れるなど国際交流の機会が増えたこともあり、卒業後の進路として海外進学を希望する生徒も出てきました。
そこで意向調査を行ったところ、想定していたより多くの生徒から留学に何らかの興味があるという回答が。ただ、一人で参加することに不安を抱えるご家庭が多いことも判明したので、団体での留学プログラムをスタートするべく準備を進めることにしました。
4月24日には生徒・保護者向けの説明会を開催。オンラインも含めると30近いご家庭の参加があり、あらためて関心の高さを感じました。
もう一つはプログラミング講座。包括連携協定を結んでいるサツドラHDの子会社・シーラクンスは、『北海道と世界を「教育」と「テクノロジー」で繋ぐ』をビジョンに、小学生から大人まで、初心者からエンジニアレベルまで、さまざまなプログラミング教育のプログラムを展開しています。
新陽には、eSports研究部に入りたくて入学してくる生徒などゲームに興味があったり、将来エンジニアやデザイナーになりたかったりする子も多く、放課後や週末にプログラミングを学べる機会があればと思っていたところ、シーラクンス様が生徒向けに特別開講してくださることになりました!
説明会当日は、講師の方がデモなど行いながら丁寧に講座を紹介してくだるのを、参加した生徒が真剣に聞いていました。
新陽ではボランティア活動や生徒WG(ワーキンググループ)などさまざまな課外活動の機会がありますが、今後もますます、生徒の「やりたい」を後押しする場を増やしていけたらと思います。