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自分たちが創る学校、自分たちで創る未来 【週刊新陽 #128】

9月中旬を過ぎて、秋らしくなって来た札幌です。

ようやく最高気温が25℃を超えなくなった(夏日ではなくなった)9月20日(水)、新陽高校で行っている教員同士の対話の場『中つ火を囲む会(通称:中つ火)』が、教務部主導の校内授業研究会とコラボしました!


中つ火と授業研修の合同開催

新陽の授業研究会は、ビジョン『人物多様性』やポリシーの実現に向けてより良い授業づくりに取り組むことを目標に、昨年度から力を入れている研修です。

中つ火も授業研究会もほぼ毎月開催しているのですが、9月は体育祭があったり前期の終わりが近かったりと両方を別々に行う時間を確保するのが難しく、合同で実施することに。

夏休み前に教務の研修担当の武田先生と合田先生から「テーマなど、どうしましょうか?」と投げかけられ、2人のやりたいことやアイデアを出してもらいながら教務部長の田渕先生も交えて相談。

少し目的や方向性が見えたところで、中つ火のファシリテーターをしてくださっている福田さんに入っていただき、企画を詰めていきました。

授業実践に関することや単位制・ハウス制・メンター制など新しい仕組みの中での不安をそれぞれの教員が持つ実情を踏まえ、お互いの課題感だけでなく知見や経験を共有する機会を作るため、いつもの中つ火や授業研究会とは少し違うスタイルで進めることにしました。

雑談や余白も必要だけど結論も出したい

オープンスペーステクノロジー(OST)とは、「その場にいる参加者が情熱と責任を持って対話を進め、オープンな話し合いからアクションプランが生み出される」という、組織開発における対話の手法の一つです。

OSTは単に対話を発散・拡散で終わらせず収束まで持っていく、できれば(とりあえずであっても)アクションプラン=結論を出すのが特徴。

そしてこのOSTには「コントロールがない空間を支える4つの原則」があります。
・ここにやってきた人は、誰もが適任者である
・何が起ころうと、それが起こるべき唯一のことである
・いつ始まろうと、始まった時が適切な時である
・いつ終わろうと、終わった時が終わりの時なのである

これらを前提に、新陽でやってみたOSTの流れはこちら。

対話のテーマを作る

参加したいテーマで対話する

全体でシェアして収束へ

(アクションまで行ければ最高)

でもその前に、対話の場へのチェックイン。「『未来』や『創る』などの言葉から感じる/考えること」を近くのメンバーで3〜4人のグループになりシェアするところから、いつもとは少し違う中つ火がスタートしました!

あるべき未来を思い出す

OSTの始まりは、対話のテーマを募集すること。新陽ビジョン2030『人物多様性』に関すること、というゆるい縛りのもと対話のテーマ出しをしますと武田先生が呼びかけると、Jamboardが付箋で埋まっていきます。

皆からの意見を整理・集約した結果、4つのテーマに分かれてセッションを行うことにしました。
①生徒支援
②単位制-カリキュラム
③単位制-ハウス・メンター
④教員の働き方や育成

初めてのOST。どうやって進めたらいいのか、どう動いたらいいのか、少し戸惑いも見えましたが、さすが対話に慣れている新陽の先生たち。あっという間にグループができて話が始まります。

自分の悩みや意見を話す先生がいたり、しばらく話を聞いてからセッションを移動する先生がいたり、自由に主体的に動いていたように思います。なおOSTでは、各セッションの内容を壁新聞にして掲示するのですが、今回は3Mのポストイットイーゼルパッドを使って出た気付きやアイデアを共有。

45分程度の対話を行った後、全体で各セッションの内容をシェアし、そこからモードチェンジ。あるべき未来、見られたがっている未来、を浮き上がらせるため、あらためて各テーマのグループに分かれ(参加するテーマを変えた先生もちらほら)、未来を妄想する→現在をつぶやく→未来へのストーリーを描く、という流れで収束(収穫)に向かっていきます。

最後に、それぞれのグループでどんな結論にたどり着いたかをシェアして、今月の中つ火x授業研究会コラボ回は終了しました。

全てのテーマですぐに実行に移せるアクションプランを生み出せたわけではありませんが、それでもどのグループでも、誰か(テーマオーナー)の困り感や問題提起に対して協力的・支援的に何かを変えたり一歩踏み出したりする具体的なアイデアが出ていたことに、組織としての希望を感じました。

【編集後記】
「教員の働き方」をテーマに話していたグループから、職員室の使い方について案が出されました。アクションプラン名は「スノピエリアの開放!」(新陽の職員室にはアウトドアブランドのスノーピークのテーブルやチェアが置いてあるスペース、通称:スノピエリアがあります)。コロナ禍で校内のいろいろなスペースに制約が設けられていましたが、アフターコロナで徐々に変化する中、職員室をリノベーションした時の各ゾーンのコンセプトを思い出し「あるべき状態」にセッティングし直そう、というものです。
翌朝出勤すると早速スノピエリアに変化が。このアクションの早さも、さすが新陽です!

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