僕が目になろう〜新陽祭2024 【週刊新陽 #168】
新陽高校の学校祭「新陽祭」が7月12日(金)〜13日(土)に開催されました。
今年のテーマは「僕が目になろう」。
有名な絵本「スイミー」から引用されたこのフレーズに込められたメッセージを、生徒たちがどう形にしたのか、記録しておきたいと思います。
I'll be the eye.
レオ・レオニ作の絵本「スイミー」、日本では谷川俊太郎さんの訳で幅広い世代に親しまれています。
という文章で始まる物語。
今年の新陽祭では、スイミーを見習って「一歩踏み出す」ことを大切にしようと、「僕が目になろう」をテーマに掲げた生徒会役員の生徒たち。(漢字になっていたり句読点がなかったりするのは敢えてだそうです。)
実は昨年12月から、何度も議論して、それこそスイミーのように考えて考えて、たどり着いたテーマです。
個性を出す一歩。個性を受け止める一歩。
自ら動く一歩。一緒にやろうと声をかける一歩。
生徒一人ひとりが主体である意識を持ち積極的に挑戦する一歩や、周りの生徒と協力し合いながら協働する一歩を踏み出し、一丸となって今年の新陽祭をつくりあげていこう、という想いが込められていました。
なお、英語版のスイミーで「ぼくが、目になろう。」は「I'll be the eye.」。シンプルだからこそ、スイミーの純粋で強い意志を感じます。
ハウスで取り組む学校祭
全年次が単位制カリキュラムとなって初めての新陽祭。4つのハウス(異年齢が混ざる新陽独自の校内コミュニティ単位)で、協力し切磋琢磨してつくりあげました。
各ハウスの生徒は「ステージ発表」「模擬店」「装飾」の3つのうちどれかを担当しますが、高校生のビッグイベントとして全力で楽しむのはもちろん、それぞれハウス対抗で順位がつくこともあってか必死です。
学年制の時にはクラスごとに取り組んでいたステージ発表や模擬店も、単位制ではハウスの中で異年齢の生徒がグループを作って取り組むので、先輩が後輩に教える姿や年次を超えて協力する姿、さらには後輩にたしなめられる先輩など(笑)、ハウスならではの生徒同士の関わりが見られました。
1日目:開会式、ステージパフォーマンス
2日目:模擬店&縁日、有志生徒によるステージパフォーマンス、閉会式
一歩踏み出した先にあるもの
今年からPBL(Project-Based Learning)と絡めて実施した新陽祭。ピッチ形式で模擬店のアイデアを決めたり、どうやって収益をあげるかハウスごとに予算管理したり、授業や放課後も使って準備してきました。
最後の仕上げを行う学校祭直前の2日間。
真剣に取り組む生徒がいる一方で、集中できない生徒や何をやっていいか分からないまま遊んでしまう生徒もいて、終日準備期間となる初日の7月10日、なんとなく落ち着かない雰囲気が校内に漂いました。
とは言え、正直なところ私も、700人近くいる生徒全員が100%のモチベーションで学校祭に取り組むとは思っていませんし、長い準備期間の中で盛り上がる時もあればダラける時もあって当たり前です。
でも一人ひとりその生徒なりに主体的に参加し、今年のテーマ「僕が目になろう」に込められた一歩を踏み出して欲しいとも思っていました。そして、新陽祭を成功させたいと頑張っている生徒たちを中心にみんなで一つのものを作り上げる達成感を味わってもらいたい、と。
そこで、準備1日目が終わった後、生徒へ「このままで新陽祭が安全安心にできるだろうか?ちゃんとやりきるためにどうしたらいいか考えてほしい。」と投げかけました。
準備2日目、校内を見て回ると明らかな意識の変化が。積極的に動こうとする生徒、声を掛け合う生徒、生徒同士の指示や助け合いの姿があちこちに見られ、活気にあふれていました。
7月11日のお昼に集まった各ハウスのリーダー生徒たちからも、その変化を示す様々な具体の報告と「やりたい!」という思いを受け、あらためて実施を決定しました。
迎えた当日。
全校生徒が体育館に集まり各ハウスのステージ発表が行われた1日目も、保護者・中学生・他校の生徒さんに公開して行なった2日目も、これまでにない盛り上がりと一体感があったと感じています。
私の仮説ですが・・・学年制クラス単位でステージ発表や模擬店を行っていた時は、担任の先生の管理のもとクラスという範囲の中で分担したり協力したりするやり易さがあったように思います。
一方、ハウス単位になり難易度は上がりました。異年齢コミュニティで何かを作り上げるためには、多くの相談や調整が必要だったはずです。でも同時に、多様なメンバーの知恵と力を合わせれば、単純な個の総和以上のものが生み出せるという手応えも感じてくれた(今はまだ感じていなくても経験として残った)のではないか、と思うのです。この経験が日々の活動や10月の体育祭で活かされるのを期待しています。
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最後に、昨年度に続き生徒会を支え新陽祭を率いてくれた号刀先生から、終了後に受け取ったメッセージを抜粋します。
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