見出し画像

好きなゲームでコミュ力がアップする〜e-sports研究部の活動 【週刊新陽 #80】

10月8日(土)、1階のメディア室がなんだか賑やかなので覗いてみると、市立札幌みなみの杜高等支援学校との交流事業『eスポーツ体験会』が行われていました。

これまでもみなみの杜と新陽高校の学校間のつながりはありましたが、「eスポーツを体験してみたい」と生徒さんからの声があったとのことで、今回は札幌市サッポロサタデースクール事業の一環で交流会が実現。

e-sports研究部の部員生徒と顧問の先生たちが、みなみの杜の生徒さんをお迎えしてビデオゲームを体験していただきました。

eスポーツで学校間交流

今回参加してくれたみなみの杜の生徒さんは4名。当初はもう少し多い参加を想定していましたが、諸事情により来られなくなったことが前日に判明。

急遽人数に変更が出たためプログラムを当日朝に一部変更して実施した、と話してくれたのはe-sports研究部・部長の鈴木愛翔(まなと)さん(進学コース3年生)。今回の交流会について、そしてe-sports研究部について聞かせてもらいました。

--  運営や進行おつかれさまでした。交流会どうでしたか?

楽しかったです!みなみの杜の生徒さんたちも、楽しそうにゲームしてくれていたのでホッとしました。

予定より参加人数が減ってしまったのは残念だったのですが、結果的には一人一人と密にコミュニケーションができたり、何度も試合できたりしたので満足度が上がったかな、と思っています。これを機にゲームに興味を持ってもらえたら嬉しいです。

今まで何度かeスポーツの体験イベントを実施しましたが、高校生同士というのは初めて。ぜひまた交流できたらいいな、と思います。

今回みんながプレーしたのは『Fall Guys』というゲーム。
優しく丁寧に、教えるのが上手な新陽生たち。
対戦相手でもあるのに、互いに応援。
ステージをクリアした時は一体感があります!
ゲームは今回初めて、という生徒さんも
どんどん上達して初勝利!最高の笑顔です。
eスポーツを通して仲良くなりました!

社会人基礎力が身につくeスポーツ

-- e-sports研究部はこれまでも様々なイベントを主催していますね。どうやって運営していますか?

場合にもよりますが、大抵は先生と相談しながらまずは流れを作ります。何をどうやるか部員の動きなどを決めておきつつ、直前になって今回のように予定していた状況が変わることもあるので、その時は臨機応変に対応します。

イベントの仕切りを担当することも多いのですが、これについては場の雰囲気に合わせて自然と喋っている感じで、事前に細かく準備することはしていません。

イベント後には必ず部員で振り返りを行い、運営側から見て良かった点と悪かった点、参加してくれた人たちから見て良かった点と悪かった点をみんなで挙げていきます。悪かった点についてはどうすれば良かったか話し合って、次のイベントでは改善していこうと具体案を出します。

-- いつからそのようにリフレクションしているのでしょうか。

昨年、オープンスクールでe-sports大会を実施した時が最初だったと思います。その後、部主催で中学生向けの大会をオンラインで実施するようになり、その都度リフレクションを行うようになりました。

-- 中学生向けの大会、ですか?

高校生向けや一般のeスポーツの大会はいろいろあるのですが、中学生向けの大会ってあまり無いんです。「中学生がeスポーツに関わる機会や中学生同士が繋がる機会を届けたい」という部員たちの想いから、「自分が中学生の時こんな大会があったら良かったな、と思うものを自分達でやろう」ということで始まりました。

①中学生の練習の成果、実力を発揮するための機会づくりのため
②日本のeスポーツの普及、振興発展に寄与するため
③競技力や人間性、社会人基礎力のスキルの育成・向上のため
④本校部員が企画から実施、結果分析に携わる学習機会のため

「新陽eスポーツ大会」の目的

-- 新陽のe-sports研究部は、単にゲームを楽しむとか大会で優勝することだけを目的としているのではないのが特徴のように思います。具体的にどんな活動をしていますか?

e-sports"研究部"という名前の通り、ゲーム (e-sports)を科学的に考え、理論を元に訓練し、結果を検証する部活です。

ゲームの実践はもちろんなのですが、コミュニケーション能力や論理的に考える力を伸ばすことも活動目的として掲げられています。入部時、先生からは「社会人基礎力」と「ICT活用スキル」をゲームを通して学ぶ、むしろこの2つがないとeスポーツでは勝てない、と言われました。

そのために、練習や大会の前後にはミーティングを行い、戦略を立てたりリフレクションしたりします。たとえばリーグ・オブ・レジェンドという競技は外部コーチが来てくださっているので、その方に相談したりフィードバックをいただいたりする中で考える力や説明する力も鍛えられます。

昨年のオープンスクールでe-sports大会を開催。
中学生がたくさん参加してくれました。
イベント前には操作方法の説明を書いたり
終了後にリフレクションしたり、
ホワイトボードの前で話している姿をよく見ます。

新陽での経験を宝に

-- ずばり、eスポーツの面白さはどこですか?

やっぱり勝った時の喜びです。チーム戦だとその経験を共有できるので喜びはもっと大きくなります。仲間と協力してゲームに勝つと本当に嬉しいんです!同じ場所にいたらハイタッチしたり、リモートだったらボイスチャットで盛り上がったりします。

子どもの頃からゲームをするのが好きで、新陽もeスポーツをやりたくて選びました。e-sports研究部が全国大会に出たという新聞記事を親が見つけて教えてくれて、オープンスクールに来てみたら楽しそうな学校だったので受験しました。

-- 入学してみて、新陽はどうでしたか?

楽しいです!一つだけ予想と違ったのが定期テスト。定期テストが無いの良いな〜と思って入学したのですが、実際には単元テストやレポートがあるので休む暇がありませんでした(笑)。でもそれ以外は期待通り。

入学する直前のガイダンスで「決意を漢字四字で表現してください(新たな四字熟語を創作してもよい)」という課題が出て、その時に『海挑互宝』という言葉を創ったんです。

「海のように広いジャンルに、海のように深いところまで、仲間たちと互いに協力して本気で挑戦したい。その経験はきっと宝物になる。」という意味を込めました。

実はこの四字には『シ・ン・ヨ・ウ』という
カタカナの文字が隠れています!!!

そして最初の「挑戦した経験」が、この漢字四字をみんなの前で発表したこと。今はこうやって話せていますが、もともとは人前で話すことや伝えることが苦手でした。でも進学コースの同級生となる全員の前で話すことになり、ぜったい緊張すると思ったので少しでも和らげようとBGMをかけながらプレゼンしました。すると話しやすくなってみんなも聞いてくれたので、工夫すれば苦手なことも乗り越えられる貴重な経験になりました。

入学してからはボランティア活動や部活動、委員会活動などのさまざまことに挑戦して、コミュニケーション力を高めることができたと思います。

特にeスポーツを通して成長したのは間違いありません。ゲームをやっていたら人と話すのは避けられないし、結局それはチームワークに影響します。ゲームを練習しながら、勝つためにうまくコミュニケーションできるよう努力しました。このスキルを今後も活かして行けたら、と思っています。

-- 将来こうなりたい、という目標はありますか?

ゲームクリエイターになりたいんです。ゲームを作る人と言っても、プランナー、プログラマー、デザイナー、サウンドクリエイターなどいろいろな職種があるのですが、目指すのはマルチにできる人。

まずは卒業したら大学に進学して、情報技術を使ったイベントの開催やゲーム開発など、ゲームの面白さを広げるための新たな挑戦をどんどんしていきたいです。

-- 最後にe-sports研究部の後輩たちへメッセージをお願いします!

新陽は最近、毎年eスポーツの全国大会に出場しています。だからこれからも練習を積み重ねて、来年も再来年も全国大会に出場してほしいです!

そしてそのためにも、積極的な練習や部活動の参加に加え、引き続き学校外の人にeスポーツの魅力を伝えて楽しんでもらえるイベントを開催していってもらいたいと思います。

e-sports研究部の活動場所でもあるメディア室。
愛翔さんの写真を撮らせてもらってる時も
集中して練習に勤しむ部員たち。

【編集後記】
最近急に気温が下がり、秋から冬に向け気候の変化が激しい札幌です。木々も葉が落ちて冬支度が始まりました。新陽の周りの森や藻岩山の紅葉も一気に進み、用務員さんが毎日落ち葉を片付けてくれています。
北海道の短いけど美しい秋を楽しみたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?