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母校で教育実習に挑戦した元女子野球部キャプテン 【週刊新陽 #76】

先週まで3週間、新陽高校では教育実習が行われていました。

今年の教育実習生のうち、一人は新陽の卒業生。女子野球部の1期生でキャプテンも務めた金桃花さんです。現在は、大阪にある桃山学院教育大学に通っていて、女子野球を続けながら教員免許を取得すべく頑張っています。

今週の『週刊新陽』は、先週金曜日の放課後、教育実習を終えたばかりの金さんに伺ったお話をお届けします!

初めて見えた先生のリアル


--3週間の実習そして昨日の研究授業お疲れさまでした!まずは、今の率直な感想を聞かせてください。

「生徒だった時代はすみませんでした!」という気持ちと、ずっと緊張していたのでやっとそれが解けてきた感じです。

--え?「すみませんでした」ですか??(笑)

はい。3週間職員室に居て、先生たちが仕事している姿や会話を初めて見聞きしたんですけど、先生たちはこんなにいつも生徒や学校のことを考えていたんだな、すごく忙しく働いているんだな、と知りました。

生徒だった時は考えたこともなかったですし、大学に行って教員を目指しても教育現場に来るまでは分からなかった先生のすごさをひしひしと感じています。

なので、高校時代の自分は本当に生意気で、先生の言うことを聞かなかったり、授業中勝手にトイレに行って怒られたり、なんであんな態度だったんだろうと今更反省を・・・。

--なるほど(笑)。教育実習で母校に戻って、どうでしたか?

担任や部活の顧問などお世話になった先生がまだたくさん残っていて嬉しかったです。一方で、実習中いろいろ面倒見ていただいた西村先生など接するのは初めての先生もいましたが、みなさんすごく気にかけてくださって、高校時代に接点がなかった先生たちともたくさんお話できました。

ただ、たまたまなんですけど座った席が教頭先生の隣だったのはさすがに緊張しました(笑)。

お世話になった先生たちと

もう一度やリたい!「研究授業」

--実習について聞かせてください。

最初の週、まずは先生たちのサブで授業に入らせてもらいました。佐藤貫太先生が「ソフトボールやってくれない?」と声をかけてくださって、得意分野(競技)の授業を受け持ちました。「得意なジャンルなので専門的なことも教えられる!」と張り切っていたのですが、生徒からすると難しすぎたかな、とも思います。

2週目は保健の授業が加わり、体育祭(9/13-14開催)の準備も加わって、いろいろとやることが増えました。3週目は研究授業がメインで、その準備もあったので後半はあっという間でした。

--いちばん思い出に残っていることはなんですか?

研究授業がいちばん楽しかったです!バスケットの授業でレイアップシュートを受け持ちました。

もちろん準備は大変でしたし、これでいいのかずっと不安で当日はすごく緊張してました。明るく見られたり声が通ることで誤解されることもあるのですが実は緊張するタイプなんです。新陽で女子野球部にいた時も、試合では毎回緊張していて。

でも、生徒たちがみんな真面目に取り組んでくれて、終わった後も「楽しかった!」と言ってくれたので達成感を感じることができました。

研究授業では元気な声が響いていました

--では逆に、3週間前に戻って1つだけ何か変えられるとしたら、どこを変えたいですか?

それも研究授業です(笑)。もし実習をやり直せるなら、もう一度研究授業をやらせてもらいたいです。その時は全然違う授業にします!

大学の模擬授業でもICTを活用したアクティブラーニングをやっていたのに、研究授業で実践してみることができませんでした。ICTも活用しながら、生徒が自分で考えたり学び合ったりする授業にできればよかったな、と。

たとえば生徒同士で動画を撮って、自分のプレーを見ながらお互いが改善点を出し合うなど、今なら色々アイデアが浮かんでくるんですけど・・・。

--授業のほか、ホームルームでは2年生のクラスに入ったり、女子野球部にも顔を出してくれたようですが、新陽生はどんな印象でしたか。

自分の時よりは少しおとなしいというかシャイな生徒が多いように感じました。積極的には話しかけてこないけど、こちらが話せば返してくれる子が多かったです。挨拶してくれる生徒も多かったですし。

学校の雰囲気は変わったけど、みんな優しいのは変わらないですね。先生たちも変わらず優しくて、本当に3週間居心地が良かったです。

今回一番学んだのは、先生たちの偉大な姿です。生徒がもっと職員室の先生の姿を見れたらいいな、と思いました。

他の先生の授業も積極的に見に行っていた金さん

本気の挑戦はつづく

--金さんが先生を目指したのはいつからですか。

中学校では男子野球部に女子が私1人だったんです。その時の顧問が体育の先生で、男女の分け隔てなく生徒を平等に見てくれて、周りからの信頼が厚い方でした。

実は中学生の頃、女子同士の集団的なコミュニケーションが苦手で人間関係で困っていたことも多くて。でもその先生が居場所を作ってくれたり、相談に乗ってくれたりして、いつしかこんな先生になりたいな、と思っていました。

--新陽を選んだのは?

新陽には、女子野球部ができると聞いて入学しました。高校時代は野球一色。1期生として本気で野球に取り組みキャプテンも務めました。

それから高石大道先生の授業で海外のことを学んだり、オーストラリアの女子野球チームが来日した時に交流したりして、海外で野球したいというもう一つの夢ができました。U18に選ばれてオーストラリア遠征した時に再会し、海外交流ってすばらしいなと思ったんです。

--今は、どんな将来を描いていますか?

女子野球に携わり続けたい、これだけは決まっています。

指導者になるなら体育の先生という選択肢がありますし、プレーヤーとして続けるなら企業や球団に所属することになります。海外で野球をしたり、海外の子どもたちに野球を教えたりもしたい。

練習は辛いこともあるけど、いいプレーをした時や試合に勝ってみんなで喜び合うときの気持ちは何とも言えません。

新陽の時は、日本一を目指す!という同じ目標に向かって全員で取り組んでいましたが、大学では一人ひとり野球をやる目的や熱量も違うので、高校の時と違う楽しみ方があります。私自身は、北海道に戻って女子野球に関わることが目標なので、そのためにもっと技術を磨いて上を目指すのと同時に教えられる力も身につけたい。

今回の教育実習での経験を絶対に無駄にせず、大学でまた一から頑張りたいと思っています。3週間、ありがとうございました!

【編集後記】
今年は2名の実習生を受け入れました。もう一人は国語の大内先生。新陽の卒業生ではないのですが、キャラの濃い先生が多い新陽の職員室にもすぐ馴染んでいました。「普通」の学校ではない新陽には教育実習も個性的な先生が集まるようです(笑)。

異色のキャリアの大内先生(もう1人の実習生)

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