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食を通じて豊かな心を育もう!「うちたびクッキング」第3弾開催報告

新型コロナウイルスの影響で、外出自粛の雰囲気が漂う中、5月に実施して好評をいただいたオンラインイベントを再び企画しました!

今回は、福島県会津若松市の農家で『人と種をつなぐ会津伝統野菜』会長の“はせじゅんさん”こと、長谷川純一さんに会いに行きました。

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はせじゅんさんは、75年前に栽培が途絶えていた『よまききゅうり(余蒔胡瓜)』の種との出会いをきっかけに、「自分の世代で伝統野菜を途絶えさせることは絶対にしたくない!」と強く思い、会津の伝統野菜の栽培や食育に取り組み始めました。現在は26種類ある会津伝統野菜のうち7種類を栽培されているそうです。

6組のご家族が参加してくださったプログラムの様子をレポートします!

【よまききゅうりの種のヒミツを学ぼう】

まずは、東京駅から福島のはせじゅんさんの畑へGooglEarthを使ってバーチャル移動。空高く飛び立つと、まるで飛行機に乗ったような気分になり、みんなから「おぉ~」という歓声が上がります。

畑に到着すると、はせじゅんさんの明るい挨拶とともに、よまききゅうりの種についての説明がスタート。

みんなのお家に届いたよまききゅうりは淡い緑色ですが、はせじゅんさんが手にする完熟したきゅうりは、黄色くて大きい!切って中を見てみると、たくさんの種がぷるぷるしたゼリー状のものに包まれています。

きゅうりのタネ

水を張ったバケツに種をざっと取り出すと、浮いている種と沈んでいる種に分かれます。来年用の種にするには、発芽率が低い未熟な種は除き、なるべく熟した沈んでいるほうの種を選んで、乾かしてから冷蔵保存するとのこと。

普段目にすることがないきゅうりの種に、みんな画面にくぎ付け。

「これからお料理に入ると思うんですが、その前に、きゅうりを折ってみよう!」と呼び掛けるはせじゅんさん。みんな、折っていいの?と戸惑いつつもパキッ!と半分に折る音が、あちらこちらから聞こえてきます。

そしてその割れ目を戻してギューッと押さえつけて10秒数えると……なんとくっついて、手を離しても折れない!!!

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「わあ~っ!」と全員びっくりの様子。これはきゅうりの新鮮さゆえの特徴だそうです。実物に触れながら、楽しくよまききゅうりの種について学ぶことができました。

【よまききゅうりを使って簡単クッキング】

続いては、“れいこ先生”こと料理家の山田玲子さんと一緒にクッキングタイムスタート。

「食は一番身近な外交」をモットーに、家庭料理を楽しく大胆に伝授する笑いあふれるレッスンが人気のれいこ先生。今回もリモートでの距離を感じさせないくらい、元気いっぱいにみんなへ声掛けをしながら、楽しくお料理を教えてくださいました。

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まずは、先ほど折ったキュウリをビニール袋に入れて、木棒でたたきます。それぞれのおうちのキッチンで、れいこ先生を真似しながら料理するみんなからは、「これでいいのかな~」、「割れた!」という声とともに、トントンというリズミカルな音が聞こえてきます。

割れたきゅうりをまた袋に戻し、手でちぎった梅干しと鰹節を投入したら、袋に空気を入れてシャカシャカとシェイク。最後に醤油をすこし垂らし、さっとお皿に盛ったらできあがり!

「これでおわり?」と、あっという間なのにみんなびっくり。早速食べてみると、「おいしいー!」と笑顔があふれます。

続いて2品目は、たたいたキュウリの袋に塩こんぶを入れ、モミモミモミモミ……お皿にぱっと出したら、こちらもさくっと完成です。

さいごはランチにぴったり、サンドイッチ。マヨネーズと味噌を入れてよく混ぜ、薄く輪切りにしたきゅうりを入れてあえたらパンに乗せ、上からもう1枚のパンで挟むと出来上がり!(マヨネーズが苦手な子は、味噌にお醤油をちょっとたらしてバターと合わせてもOK)

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なんと30分で3品もできました!生のよまききゅうりは、シャキシャキとした歯ごたえがあり、とっても美味しかったです。前半2品は包丁を使わないレシピなので、小さなお子さんも安心して作ることができます。

れいこ先生、楽しいクッキングタイムをありがとうございました。

よまききゅうり3品

【きゅうり畑を探検しよう】

クッキング後は、再び会津の畑へ。
「きゅうり、おいしかった!」というみんなからの声に、はせじゅんさんはとっても嬉しそうな様子。ここからは青空が広がる晴天の下、きゅうり畑探検にいざ出発!

まずはきゅうりの雄花と雌花をじっくり観察。「なんかちがう?」「開いている!」というみんなの声が飛び交います。

「根もとのほうも見てみたい!」というリクエストに応えてカメラが向けられると、親づる、 子づる、 孫づるの様子がはっきりと観察できたり、小さなきゅうりの赤ちゃんが見つかって「かわいい~!」という歓声が響いたりしました。

そこへ・・・「ハチだ!ハチ、ハチ!」
蜂が動きまわることで受粉されるきゅうり。“野バチ”は25度くらいの今の季節が一番活発に飛んでいるそう。

ここからは質問タイム。

「1本の親づるからきゅうりはどのくらい収穫できますか?」
「つるが今くらいの背丈くらいになるまで、どれくらいかかるのかな?」
「畑の広さはどのくらいですか?」

などの質問に、せじゅんさんが丁寧に教えてくれました。普通のきゅうりとよまききゅうりは、何が違うの?という質問には、

「よまききゅうりは、約3000年前に中央アジアのタジキスタンなどの国で生まれ、そこから日本へ入ってきたと言われています。特徴は、皮が柔らかくて、肉厚で、種になるところが甘く感じられることですね。みんながよく食べているきゅうりと一番違うのは、えぐみや苦みが感じられず、青臭くないところです。普通のきゅうりが嫌いな子でも食べられますよ。残ったきゅうりで食べ比べをしてみて下さいね。」

たくさんの新しい発見がありました。はせじゅんさん、ありがとう!!

【はせじゅんさんの想い】

最後に、よまききゅうり栽培の復活の背景を聞かせていただきました。

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実は一度、よまききゅうりは絶滅してしまっていました。しかし、今から14年前、福島県の農業センターがリニューアルオープンした時に、茨城県つくば市にある農業生物資源ジーンバンクから、この種をプレゼントされました。7軒の農家からスタートしたのですが、翌年には私1軒になってしまいました。それはどうしてでしょうか?」

はせじゅんさんは続けます。

同じきゅうりがお店に並んでいたら、みんなが選ぶのは普通の緑色のきゅうりなんです。栽培農家が減ってしまった理由は、よまききゅうりの白っぽい見た目によって売れなかったからです。
ちなみに、この表面の白っぽさの理由は“ブルーム”といって、寄ってくる虫から守るためにきゅうり自体から出される粉とのこと。

「こんなにおいしいきゅうりなのにもったいない!と思い、地元の学校給食の栄養士さんに相談すると、最近はきゅうりが嫌いな子が多いとのことでした。そこで、試しに給食で使ってもらうと全員食べてくれて、これなら子どもたちに受け入れられるな、と思いました。売れなくて諦めようとしたこともあったけれど、美味しい!と言ってくれる子どもたちのために栽培を続け、今では会津若松市の全ての学校給食で使われるようになりました。」

将来、会津の子どもたちが世界で活躍して、ふるさとの味って何?と聞かれた時、よまききゅうりと言ってもらえるように、伝統の野菜を作り続けたい」という熱い思いで、はせじゅんさんの挑戦は続きます!

実は今回、はせじゅんさんのご厚意で、参加者のみなさんには、きゅうりとともに丸なすと赤べこのキーホルダーも一緒に届けられました。あかべこには疫病を払うという言い伝えがあり、横の斑点模様は人の疫病を集めた証とのこと。この赤べこをお守りに、コロナを吹き飛ばしましょう!

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最後に、はせじゅんさんに「ありがとうございました!」とみんなでお礼を伝え、あっという間に楽しい旅も終了。

はせじゅんさんの農家では、実際に畑を見学し収穫を体験できるイベントなども開催しているので、ぜひ次回は実際に遊びに行きたいですね!

「食べることは生きること」

食べ物は、わたしたちの心と体をつくる大切なもの。豊かな食体験は子どもたちのより良い人生につながります。子どもたちは食べ物を通じて、心豊かに生きていくヒントを学ぶことが出来るでしょう。

うちたびクッキング」は、We-Steinsが提供する、自然と料理体験を通したオンラインのSTEAMプログラムです。先が見えない状況下でも「おうちにいる子どもたちに、今こそ本物の体験を」という想いからスタートしました。

毎回、生産者さんとの触れ合いと実物の食材を手にすることによって“本物”を体験できるからこそ、子どもたちのキラキラと輝く表情を引き出すことができます。We-Steinsでは、今後もオンラインだからこそできる新しい体験を、どんどん提供していきたいと思っています。

「食育」を通じて、子どもたちの豊かな心を育んでいきましょう!

次回のうちたびクッキングは、7/24(金・祝)。テーマは、こちらも旬を迎えている「もも」です!夏休みの自由研究にもピッタリなイベントの詳細は、以下をご覧ください。

夏のバーチャル"ふくしまファームツアー"
https://uchitabi-fukushima2020.peatix.com/

うちたび福島facebook

好奇心旺盛なお子さまたちのご参加、心よりお待ちしています!

(文:中務彩夏)

◇◇◇

【うちたびクッキング協力者情報】

■福島県会津若松市 長谷川純一さん(Nippon Taberu Times記事)
http://taberutimes.com/posts/producer/hasegawajunichi

■玲子ちゃんねる
山田玲子先生のお料理動画。お子様や在宅ワークのお父さんも作れる超簡単なレシピが揃っています。
https://www.youtube.com/channel/UCAi5_kR9SJuzsXWya4S800g

■東の食の会
一般社団法人東の食の会は、東日本の食文化を世界に発信することを目指し、販路のマッチングや、商品プロデュース、人材育成を行う2011年6月に設立された団体です。東北から新しい食のブランドがどんどん生まれる状態にすることを目指し、三陸の水産業や福島の農業のプラットフォームを創り、運営しています。
https://www.higashi-no-shoku-no-kai.jp/


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