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クレーが書いた詩

 クレーが詩を書いていたことを私は知らなかった。
 クレーの絵は、詩集などの表紙を彩るものだと思っていたので。

詩の先輩にこの本をいただいた。
詩には題名がつけられず、番号が振ってあるのだ。

ときどき「そんなに?」と思うほどセンチメンタルな言葉が並んでいる。

私が好きなのは「57」夢の詩である。

夢にはよく
ぼくらを驚かせて
しばらくの間
うろたえさせた
人生のひとこまが繰り返される。
たいがいはささいなことだ。
身構えてうけとめた
強い印象は
夢には現れない。

クレーの詩より


心がやけにざわざわするときに
ちゃんと理由をたどっていくと
本当に些細な事だったことがよくある。
夢はそういうことを教えてくれるのだろう。


抽象画を描く人の詩なので、比喩に満ちている。
うらやましいと思ってしまうほど。

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