サンドランド
サンドランドは面白かった。
とりあえず
「歯を磨かないのは悪いこと」と悪魔をしつけた人に拍手である。
「善意の人」を悪人と言われて滅ぼしてしまったラオ。
自分が捨て駒にされたことは薄々感じていて
部下も関係ない人たちも沢山殺された。
殺されたのではなく、「殺した」という認識を持っているラオ。
そういうことをしてしまうのが人間である。
フィリピンで捕まったルフィなんてまだ小物で
ポルポト、ヒトラー、スターリン
原爆落としたトルーマン
僧兵皆殺しの織田信長
後世の人に「そこまでやらなくても」 と言わしめた人たち。
みんな人間である。
ラオは「悪の権化」将軍と対峙したが殺しきれなかった。
その男を殺しても、亡くなった者たちが戻ることはない。
そういう情けが身を亡ぼしたりするのだが、
ベルゼがいてよかった。
悪い奴が欲しがるのは、金と権力
なんと類型的な。
今の日本国内だけでも、そういう人が沢山いる。
金も権力もあの世に持っていけないのに。
科学技術が発展していたって すごい戦車があったって、
そんなものと関係なく暮らす人たちは大勢いる。
鳥山明の視点は権力者とは無縁なのだ。
ラオは保安官だけれど権威も権力もない。
あの集落に、村長とか顔役がいたのかどうか。
でもリーダーだ。
村の人が、「正義の側に立ってくれる」と信じられる人。
ちょっとした「七人の侍」である。三人だけど。
既存の権力と戦うには、
既存の存在を超えたものがいないと。
現在の我々は
スパイダーマンもドラえもんもいない世界で
いろいろと見ないふりをしているのである。
比喩にすらならない事実だ。
傘籤さんの感想もとても面白かった。
「砂の惑星 2」は上映されたら見に行こうと思っているが
絶対「サンドランド」を思い出すだろうと思う。
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