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かしわばあじさい 詩

詩の勉強会に提出した詩


カシワバアジサイ

基地の近いこの町のこの地区に暮らし始めて半年
頭上を飛行機が何機飛ぼうと日常は続く
それでも新緑の季節になって少しだけ足取りが軽くなる
公園で花の写真を撮っていたら 
知らない人がカシワバアジサイだと教えてくれた

夾竹桃が咲き始めた集合住宅の窓明かりを見ながら帰る
幸せの灯りだとはもう思わない

最近になって
隣の棟のドアを開閉する人に気づくようになった
車で帰ってくる男性
手押し車を押して出かける女性
中学生
顔を合わせたら挨拶くらいはするかもしれないが 
そう親しくならなくても良い
向かいの家のブラシの木に赤い花が咲いている
ハナミズキは終わってしまった
みんなカーテン越しに見るだけである

カーテンも窓も時々開けるけれど
ひとりで暮らす


実は次の四行が、詩の冒頭についていたのだが
それはただの「情報」なので削った方が、と言われ、カットした。


人口動態によると
人数の増加よりも
世帯の増加数の方がいつも多いのである
一人暮らしは増加する一方だ

こういうのって本人は良いと思っていたりしたのがイタイ

もうひとつ「中学生」はもう少し詳しく と言われた。


勉強会に提出する詩は、事前にメールで全員分送られてきて
各自が印刷して持ってくる。
参加する皆さんの予習具合もすさまじくて、気になる単語はみんな辞書引いてたりするのである。
その時点で私は赤点決定なのである。
難しいのである。心の中でずっと(ひぇ~~~)って言っている感じ。
中学生が、大学受験予備校の古典の講座に出てしまった感じ。
聴いていればところどころはわかる。でも、ところどころなのである。

その時間の中でみんなの発言でやっと気づき、さらに家に帰ってから
そんな壮大な事をクリエイトしてたんですか ともう一度ショックを受けるのである。


乗り掛かった舟とかではなくすでに乗り込んでしまっているので
厨房の隅っこでジャガイモの皮むきとかしながら修行するのである。
今さら逃げたいとは思わない。

ずっと上手い人たちでも、この題名はと言われたり、ここは削ったら
と言われてはいるのである。私もぐちぐち言いながら頑張るのである。


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