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青の読み手

誰にも抜けない剣を抜くと、それが勇者の証である、という話がある。
同じように
誰の目にも白いページにしか見えない本を読める というと
それが魔法使いの証だったりする。

貧民街に住み、下町ねずみと呼ばれるノアは、小さな使い走りをして、その稼ぎを親方にピンハネされながら暮らしている少年だ。
姉のように慕っている行方不明の少女ロゼを探している。

ひょんなことから一冊の本を盗み出すことに使われ、本に選ばれる。
サロモンの書と呼ばれるその本は、悪魔を呼び出せる本であり、呼び出す代償に人の体を摩耗させると言われる。

そうささやいたのは、実は悪魔で、「本当の青の読み手」が現れたら困る
と思っていたからだった。

三部作である。

表紙の絵の白いねずみは、人語を話せる知恵ねずみでノアの相棒である。



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