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国内唯一の「金融機関共同研究型ベンチャーデットファンド」設立への想い

この1年間走り続けてきた一大プロジェクト「金融機関共同研究型ベンチャーデットファンド」を、この度発表させていただきました。また同時に、GPとなる新会社『Funds Startups』を創業し、代表取締役およびFunds Venture Debt Fund 代表パートナーに就任いたしました。

■リリース抜粋
2023年12月に設立した子会社(Funds Startups株式会社)をGPとし、ミドル・レイターステージのスタートアップ企業向けデットファンドである「Funds Venture Debt Fund 1号投資事業有限責任組合」(以下 本ファンド)を設立することを決定いたしました。また、本ファンドの1stクロージングとして、三井住友信託銀行株式会社、株式会社福岡銀行の参画が決定したことをお知らせいたします。

本ファンドは「金融機関共同研究型ベンチャーデットファンド」として、LP出資者をベンチャーデットへの参入を検討、推進している全国の複数の金融機関で構成し、ベンチャーデットに関する実践的な知見、ノウハウ、共同投融資機会等を金融機関に体系的に提供する国内唯一のファンドです。今後、2024年中を目処に、総額50億円のファンドを目指します。

これまでファンズでは、Post IPOの新興企業を中心に、累計500億円以上の貸付を行って参りましたが、今回のベンチャーデットファンドの取り組みによって、ミドル・レイトステージにも本格的に資金供給を開始し、グループ全体では、スタートアップに対してクロスオーバーに投融資ができることとなりました。

また今回のファンド立ち上げに際し、主にGP業務を行うことを目的としつつも、国内では未開発である、ミドル・レイトステージ(グロースステージ)のエコシステム開発を推進する主体として、新たにFunds Startups株式会社を創業いたしました。

これまで個人的には、ファーストキャリアからスタートアップの経営に携わり、現在はFundsでCFOを務めつつ、国内最大のスタートアップカンファレンスIVSで企画責任者を務める等、一貫してスタートアップど真ん中で過ごしてきましたが、今回の挑戦を通じて、今後は1投資家としての側面からも、日本のスタートアップエコシステムの発展に貢献していきたいと思います。

設立に踏み切った背景

2023年は、まさにベンチャーデット元年とも言えるように、様々な金融機関がベンチャーデットへの参入を発表して参りました。

その背景には、今も尚低迷しているグロース市場の市況を受けて、スタートアップ全般的にエクイティ調達が困難な状況であることと、上場維持基準の見直し等の議論があるように、そもそも出口の目線を大きく引き上げるような動きが顕著となり、ミドル・レイトステージのスタートアップが中心にその皺寄せを受けている状況にあります。

こういったネガティブなトレンドがある一方で、実はポジティブな兆候もあります。

それはここ10年程で、国内スタートアップエコシステムの土台が構築され、以前はスタートアップといえば、都内・ソフトウェアIT中心という画一的だった状態から、より大きな社会課題を解決しようとする研究開発型(大学発含)、Deeptech、インパクト、グローバルスタートアップ等が台頭してきたことで、地域的にも、人材バックグラウンド的にも、スタートアップの多様化が急速に進んできており、今後全国的に新興創業が増加すると確信しています。

また、「失われた30年」と言われ続けていた理由でもある、約30年前の日経平均も最近遂に更新しました。その強いモメンタムから、アジアを中心とした海外投資家からも、日本が再び注目されつつあることを感じており、今こそ日本の産業発展、経済成長の契機であると個人的に感じているところです。

他方で、実際に産業創出を推し進めるためには、スタートアップの多様化、投資家のセンチメントを背景に、資金提供者側においても多様なプレイヤーの出現、多様な供給手法の開発が必要であると考えています。

その手段の1つとして、私は(広義な)ベンチャーデットに注目しています。

ベンチャーデットは設計次第でスタートアップ毎の事情やリスクに合わせた資金供給が可能となり、従来のプレイヤーだけでは支援しきれなかった企業への資金還流が期待される等、この発展は極めてインパクトの大きい取り組みになると確信しています。かつ、そのプロバイダーとなる主体は、大資本を持つ銀行であり、その取り組みが成功すれば、10X、100Xも虚言ではないような市場拡大を実現しうるでしょう。

したがって、ベンチャーデットは、今のトレンド市況の穴埋めということだけではなく、今後の産業発展の基盤として機能しうる取り組みになり得ると確信し、その市場規模拡大において最もインパクトのある取り組みを開発しようと試行錯誤した結果、このようなファンドの設立に至りました。

今はまだ、国内ベンチャーデットは黎明期です。故に想定しなかったようなリスクの発現、貸し倒れの発生、法的/会計的論点の整理等、多種多様なハードルが存在しうる状況の中、より早く、より適切な方法で、この取り組みが市場浸透できるための機会が求められていると考え、ベンチャーデットに注力する金融機関に対しての研究開発型オープンファンドを設計したことに繋がります。

(このコンセプトに共感いただき、国内においてまだ実績の確定したファンドが1つもないベンチャーデットファンドという金融商品に対して、そしてFundsと親和性がある領域であるものの、当社にとっても、私にとっても、初号となるLPSファンドの立ち上げであり、かつ適格機関投資家のみの構成という圧倒的なハードシングスであった中、ファーストペンギンとして、1st closeにご参画いただいた三井住友信託銀行様、福岡銀行様に、今後足を向けて寝ることはできません。。プレスリリースに両社の最高に熱く、視座の引き上がるコメントを是非御覧ください)

これからの挑戦

さて、これからの挑戦として、まず新たに設立したFunds StartupsのMissionをご紹介します。

背景部分でも一部記載しましたが、これから日本のスタートアップは幾つかの観点で多様化が進んでいきます。

従前にあったような画一的なものではなく、スタートアップとは一言で括れないようなマーケットになると予測しています。ゆえに、資金供給という環境、成長に必要なエコシステムという観点からも、"それぞれのスタートアップにとって"最も理想的な成長が遂げられる仕組みを開発することが重要であると考えており、Funds Startupsがこの領域開拓のファーストペンギンとして挑戦していきます。

具体的なアウトカムとして、このミッションから3つのテーマを掲げています。金融機関としての"ファーストペンギン"という介在価値発揮を念頭に、未発達なミドル・レイターエコシステム開発にもチャレンジします。

また、その解決主体として、Funds Venture Debt Fundを運用していきます。金融機関にとっても、スタートアップにとっても、当ファンドコンセプトだからこそ、提供できる価値作りに集中し、従来のプレイヤーだけでは行き届かなかったリスクマネーの提供を進めて参ります。

特に自分自身がCFOをしていて思うところですが、エクイティはVC中心に横連携、情報連携があるものの、デットはどこかエコシステムと遠く、違う村とコミュニケーションをしているような感覚や、担当者が外から見えにくいといったリレーション構築の困難性から、極めて非効率な実務を行うことを強いられます。

そのような状況だからこそ、我々自体が1スタートアップであるユニークな立場を生かし、スタートアップエコシステム側からデットフィールドに踏み込んでいくことで、これまでになかった横連携を実現していきたいと考えています。

例えば、VCのリードがバリュエーションを決める役割だとすれば、VD(Venture Debt)のリードとは、その企業の与信を決める役割であると考えます。当ファンドはリードレンダーという意義にこだわり、先導的に投資先の将来性、事業性を分析した上で与信を算定し、その枠を最大活用することで、LPを中心とした金融機関との協調融資や、コミュニケーションの代替、商品のオリジネーション等を行っていきます

Funds Venture Debt Fund 特徴

最後に

これからFunds Startupsを主体としつつ、Funds及び個人で培ってきたすべてのリソースをフル投入し、ベンチャーデットをはじめとしたオルタナティブなアセット開発、仕組み作りを通じて、我々なりの形でスタートアップエコシステムの発展に貢献していきます。

まずは、当ファンドを通じてベンチャーデットの参入支援ニーズのある金融機関への案内、そしてベンチャーデットを本格的に活用したいスタートアップへの資金供給を進めて参りますので、もしお繋がりやご要望がありましたら、遠慮なくお問い合わせいただけますと幸いです!

▼個別DMはこちらから
前川寛洋 | Funds CFO(@maekawa_nb)さん / X (twitter.com)

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