見出し画像

貪欲さ愚かさの潮流に抵抗する

「読書は体制をくつがえす行為であり、それによって、私たちを窒息させようと脅かす貧欲や愚かさの潮流に抵抗することができるのてす。洪水の脅威を前にして、一冊の本は一艘(いっそう)の方舟だと言えるでしょう。」

『読書の歴史』アルベルト マングェル著より

芝健介著『ヒトラー』では、ドイツ国民がナチ党による一党独裁を支持する過程が早送りの動画再生のように描かれています。辻野弥生著『福田村事件』では、関東大震災直後の集団殺人事件が歴史的事実としてつまびらかにされました。

これらを過去の教訓からの知識として蓄積するだけでは、マングウェルの言う「貪欲や愚かさの潮流に抵抗する」ことは出来ないはずです。

日々の生活の中で、自分の感性を磨き、「これはおかしいな」と感じたことに従って行動する素直さと拘りを合わせ持つことで、「潮流に抵抗」することができるはずです。

週間文春による木原官房副長官をめぐる報道の渦中、現場の元捜査官は、世間に真実を伝えようと行動を起こしました。自分の感性に素直に従い、捜査官としての拘りを堅持し続ける佐藤誠元警部補の言動は、「貪欲や愚かさの潮流に抵抗する」実例だと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?