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実践!SaaSのマーケ立ち上げ時に考えていること3選。 #SaaSLovers day10

本稿は #SaaSLovers のブログリレー10日目に当たります。

カスタマーサクセスプラットフォーム commmune を運営する、コミューンという会社でマーケティングマネージャーをしております。すぎやまのぶひろ(@nobuhiro0704) です。

いつも楽しく拝見させていただいていた #SaaSLovers の仲間に入れていただき、大変に嬉しく思います!小松さん  有難うございます!

キャリアサマリ

まず、お前誰やねん?という感じだと思いますので、私のキャリアを簡単にサマります。
広告代理店の博報堂で、メディア営業としてテレビCMとWeb広告中心のメディアプランニングを学んだ後、App Ape (フラー) というアプリデータ分析SaaSの会社にCMO(という名の1人目のマーケター)としてジョインしビジネスサイド全般を主幹した後、コミューンというHorizontal型のSaaSに1人目のマーケターとして2021年3月に入社をしています。

この記事で詳しく触れています。

比較的Horizontal寄りなSaaSのマーケティング組織を2回立ち上げていることが割と面白い経験だったりするので、本稿ではHorizontal SaaSのマーケティング立ち上げのときに考えていたこと、役立ったことを3つお話したいと思います。(3つって言ってから3つ考えていますので、終わったときには2つか4つになっているかもしれません。)

着手すべきは「売りに最も近いところ」から。

戸栗さんに「自社と施策の相性がめっちゃ大事」と口酸っぱく書いていただいてます。本当にそのとおりだと思います。

自分の場合は、「一番、手間とお金を合算したコストが低く、確実に売上が上がるもの。」から順番に手を付けていくことをおすすめします。
リード獲得単価が低いということではなく売上が上がるですので、そこご注意ください。

売上が上がるものってなんだろう?っておそらく思いますよね。全く頭を使わずにそれを特定する方法が2つあります。

1.買った人(お客様)・売った人(営業)に話を聞くこと
2.自分で売ってみること。

この2つです。SaaSのマーケティングというと「認知を上げる・リードを獲得する」がミッションになっている方も多いのですが、リードはその後反応がなければただの文字列です。MAに保存されている間お金が出ていく分テキストエディタ内の文字列よりタチが悪いです。

「売上が上がるリードを獲得する。」ということを当然目的とすべきです。そのときに、一番手っ取り早い方法は、お客様かセールスに話を聞くことです。解像度が高いお客さんに聞くと、こんな感じで返答をいただけます。

「カスタマーサクセスに関するKWをウェブ検索していたら貴社のウェブサイトにヒットしたので見てみました。興味を持てたのでウェブサイトにあった営業資料をダウンロードして、見てから問い合わせをしたら、代表が直接営業に来てくれて、熱意を感じたので、まずは特別に安くしてもらったプランを契約してみた。」

さて、マーケターの皆様、この情報がヒアリングできたら次に解決すべきは、どんな問いでしょうか?

私だったら、「社長でなくても売れるのか?」「特別ではない普通のプランも売れるのか?」を絶対に確かめてから施策を始めたいです。これが、「売りに最も近いところから始める。」です。社長が割安にしないと売れないプロダクトであれば、営業資料のダウンロード数を100倍にしても一ミリも売れないわけです。

問い合わせ頂いたリードに対して

1.社長じゃないトップセールスに特別なプランを売ってきてもらう
2.社長じゃないトップセールスに通常プランを売ってきてもらう

この2つのテストを行ってから、同内容の問い合わせを増やすための施策を行います。「トップセールスでないと売れない」というリスクに対しては、「自分で売るまでやってみる」ことによって確かめることが多いです。この順番で施策を実施できると必ず効果は出ます。なのでその後に、いくら使うかを考えてROIを合わせればいいです。

何をやるかは猿真似で良い。どうやるかで汗をかく。

多くの1人目マーケターにとっての悩みは「数字も無いのに何からやればいいか決められない。」だと思います。自分は、Horizontal SaaSの場合は特に、「やることだけ」では差がつかないと考えているので、「やること」を決めるときには、安易に先人の知恵を拝借(他社の施策をパクる)ことにしています。

他社と言っても数ある企業の中からどこを参考にすればよいのか?って結構悩むと思うのですがメチャクチャ簡単です。ターゲットが同じ企業です。
ターゲットが同じ企業でまだ難しければ、「LPに並んでいる導入企業ロゴの業種と、使っているであろう職種が同じ企業」を参考にすればよいです。当然ですが、先行する競合がいればそこでも良いです。

そんな会社を見つけたら、その会社のマーケティング施策をLP / SNS / リリース / サービス名で検索などなどを行い先述の「売りに近そうなもの」から真似していけばいいです。

〇〇への協賛や、ブース出展、タクシー広告のような100万円以上かかるものは、先人が2回以上行っている施策を真似すると良いです。
2回以上行う=ROIが合いそうだということが予測できるので。協賛実績は、イベント運営企業に聞けばすぐ教えてくれます。

ただ、コンテンツ含む実施内容に関しては、汗をかきながら考えましょう。ここは個社によってまるで違うので割愛します。似たターゲットの他社が同じ施策でおそらく成功しているのだから、うまくやれば成功するだろうという風に省エネに行う施策の意思決定をすることで、その施策をやりきるためのリソースを増やすことができ、結果として成果に近づきます。

いつでも止められるものからやろう。
人は「足りない」くらいが丁度いい。

マーケターにとって最も恐ろしいのは、効果が出ないことではないです。
後戻りできないこと、だと私は考えます。では、最も後戻りできないことってなんでしょう?採用です。

マーケターは、1人当たりの使用金額が会社で最も大きいことが多いです。だとするともしワークしなかった時のインパクトもかなり大きいです。
例えば、オウンドメディアを編集プロダクションと連携して強化しようとなった時に、年収800万円の正社員のメンバーにその責任者になってもらったとします。見積もりとしてはこんな感じ。

オウンドメディア責任者:年間費用800万円
編集プロダクション稼働:月額50万円×12=年間費用600万円
バナークリエイティブ制作:月額30万円×12=年間費用360万円
オウンドメディア集客広告:月額50万円×12=年間費用600万円
合計:2,360万円

オウンドメディアのような複雑性の高い施策は、なにか一個失敗すると全く売りに近いCVという効果が出ません。
この施策が効果がもし出なかったとすると、人件費・編集プロダクション稼働費だけではなく、バナー制作費も、オウンドメディア集客費用もパーになってしまいます。

と、するならば、人に対しても施策に対してもなるべく後戻りできるように設計をすべきです。
・正社員採用ではなく、副業業務委託から
・年間契約ではなく、3ヶ月トライアルから
・デザイナー採用ではなく、クリエイティブ単発発注から

こんな感じで意思決定をしていき、勝ち筋が見えたら安定稼働させていくほうがヘルシーです。

また、人を採用してしまって、人力で回せるようになってしまうと、効率化に対するインセンティブが働かなかったり、施策をまるごと止めた時に、チームがまるまる浮いてしまったりします。ですので、私としては「絶対にやるし、やりきる」という施策に対してのみ正社員のメンバーでアサインしつつ、チャレンジングなトライアルは、外部のスペシャリストの方とご一緒したり、副業などの業務委託の方とトライしてみることにしています。

まとめ

すっごい当たり前な話を書いてしまいましたが、一応まとめます。
・着手すべきは「売りに最も近いところ」から。
・何をやるかは猿真似で良い。どうやるかで汗をかく。
・いつでも止められるものからやろう。人は「足りない」くらいが丁度いい。
なにから手を付けたらよいかわからないというマーケターの方がいらっしゃいましたら、この3点を思い出していただけると、サクサクっとやることを決めていっていただけるのではないかな?と思います。

コミューンのマーケティング部門は、こんな感じの少数精鋭で施策を行っていければと思ってます。もしご興味がある方はいつでも私のTwitterにDMくださいませ!

会社紹介資料を貼っておきます。

最後まで、ご拝読いただきましてありがとうございました!

次は、@usr_meloco さんがカスタマーサクセスのチームづくりについて、書いてくださるそうです!
カスタマーサクセスは、これからSaaS・非SaaS問わずどんどん重要な概念になっていくはずですので、読ませていただくのが楽しみです!

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