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MUDDY 村山朋子さんを訪ねて

 大変お世話になっております、JIBITAののぶちかです。
久し振りのnoteとなりますが、皆様、お変わりありませんでしょうか?

 という事で、5月はJIBITA創業初となる7連休を頂きまして、松本までの往復を6日間かけて行いましたが、今回はその道中で舞鶴の村山朋子さんの工房をお訪ねしたので、色々とお話を伺って参りました。

 ちなみに村山さん、2026年にはJIBITA初個展も予定しておりますので、かなり早目ではございますが予習を兼ねて御一読頂けますと幸いです。

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村山朋子さん インタビュー


地域一帯が養蚕で栄えたという桑飼下。工房はその静かな自然の中にありました。


陶芸との出会い

のぶちか
 お父様が陶芸をやられておられたという事ですが、御自身はいつ頃から(陶芸を)?

工房にて

村山さん
 最初に始めたのは21、22歳位ですね。親も家で陶芸をしていたんですけど、私は全く興味がなく普通に経済学部に進学して笑。
 それですごく周りの皆が将来の事をまじめに考えて生きていたので、ちょっと焦っちゃって笑。それでよく考えたら経済学部を卒業した後の就職先は大企業や公務員という方が多かったんですけど、私には少し違和感があって。

 そこから一年休学して九州にある大学の文学部文化人類学科に行ったんです。そこで1年フラフラしている間に相当なんかちょっと常識はずれになっちゃって笑。その新しい大学に上手になじめなくて半年で行かなくなってしまったんですけど、そしたら「これはやばい」と自分で思って。
 会社みたいにたくさんの人がいる様なところで上手にやり取りしながら働くのがその頃は無理だと自分で思っていたので、焼き物だったら人とのコミュニケーションが上手じゃなくてもやっていけるかなっていうのと、親の仕事は傍で見ていたのでなんとなく体に入っている感覚はあって。

 そこでまず市の陶芸教室に通ってみたんですけど、そこで焼き物に以前より興味が増しまして。教室に1年ほど通ってその後、九州が好きだったので、有田の窯業学校に行ったのが22、3歳の頃ですね。
 そこではロクロ科に1年通いました。私は絵が全然描けなかったし、その後、自分が絵付けをする様になるなんて思ってもいなかったのでロクロ科からサラッと就職したかったんですけど、現実にはロクロでの就職先は全然無くて笑。

 今も有田は鋳込みが主流な上に、1年ロクロ科通ったからといってロクロがひけるかっていうと全然そうではなくて笑。
 でも、その学校に来ていた募集の中に絵付けの仕事はあったんですよ。そこで、その学校には絵付科もあったのでもう1年ほど絵付科に通いました。
 その後、募集があった絵付けの仕事がある会社に就職したという感じです。

のぶちか
では絵付けはその就職先で(技量を研鑽したのですか)?

村山さん
 学校で1年はしてたんですけど、もうその絵が描きたいというモチベーションも笑…。
 他の方はみんな絵が好きで来てる方が多かったし、アイディアもいっぱいだし、なんか描きなれてる感じでもう本当に上手だったんですけど…。
 まあ自分はその就職しなければならないから頑張ってしてたんですけど、1年では筆づかいは全然もう笑…。
 器用な方じゃないので下手くそだったんですけど、就職してから

「早よせんば、早よせんば」

 って言われて笑。

絵付け用には主に熊野筆を使用。
しかし、筆を作る職人が減ってきている事が懸念材料だそう。

 その時は私よりも若い高校卒業したばかりで勤めに来てる子とか、夜間高校に行きながら昼間働いている子がいて。
 その時、私24歳ぐらいだったんですけど、自分よりも若い人とか、まあ年上のベテランの方もいらっしゃるんですけど、もうなんか同じ絵付けを皆で分けてしていたりすると、私が1個絵付けしている内に、その人達はもう20個ぐらい描いているんですよ笑。

 もう…、必死で頑張りました笑。

 それで3年ぐらいしたらやっとちょっと追いついたかなぁ?っていう感じで。描ける様になってきてようやく楽しくなってきたという感じです笑。

奥が焼く前の素地。
焼成後はかなり小さくなる事が分かります。

のぶちか
 ではもうキャリアは約20年位ですかね?

村山さん
そうですね。あっという間に。

のぶちか
 有田の学校でのロクロ科では磁器土をひけって言われるんですよね。

村山さん
 そうですね。磁器土しかひいた事がないです。

のぶちか
 ですよね。でも初めて土に触れる人が磁器の土とかを練ったりロクロひいたりする事ができるイメージがわかないし、すごいなぁと思って。

村山さん
 全然あの…、こねれてないですよ、全然笑。そんなの無理無理笑。1年やっただけでは笑。もちろん勘の良い方とか、ちょっと大学とかでした後にとかいう方はさらさらとなされてましたけど。もともと不器用なのにっていう感じで、うん、もう全然です笑。
 それでまあその頃は1年しかしてなくて。で、その後はもう絵付けの仕事で勤めてて。
 その頃、結婚して子供も授かったから、もう毎日が超忙しくて、ロクロとかしてる時間も無く笑。会社でしてる絵付けだけで焼き物に関わる1日の時間は終わり、みたいな感じでした。

 その後、こちらに14年ぐらい前に引っ越して来たんですけど、

「さぁっ!」

 て自分が好きなもの作ろうと思ってロクロひいたら全然ひけなくて笑。やってなかった上に、最初からできてたわけではないので、全然ひけなくて。
 せめてロクロひいて何か絵付けしてものになったら売りにも行けるんですけど、それすらできなくて笑。いつになったらロクロがひける様になるか分からないままこちらに引っ越して来て、5年間ぐらいは保険屋さんでパートしながらロクロと絵付けの練習をしていました。
 でもまだまだロクロは全然自身が無い感じですね笑。好きは好きなんですけど。

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素地と図柄の事

村山朋子 作
「地紋鳥角皿」

のぶちか
 モチーフは古典図柄もあればちょっとオリジナリティの香りのする様なテイストなんかも…。

村山さん
 たぶん勤めてた窯元の影響が大きいかもしれないです。なんでもありだったんですよ笑。最初は染付場にいたんですけど、その後、上絵の方も三年居て。
 上絵だとなんかもっとピカソみたいな絵付けとかがあったり笑。見本を見ながらするんですけど、

村山朋子 作
「染錦小鳥角皿」

「これはこれで良いのか?」

 みたいな感じのを描いたりとかしてたので、まあジャンルレスになんでも描く様な仕事だったのでそれが元なのかもしれないです。
 伝統的な図柄だけをやる様な窯元ではなかったのが、大きいのかもしれないですよね。

のぶちか
 素地が少し淡い黄色っぽく見えるのと、すごくきれいな白っぽいのがありますが?

異なる素地の色

村山さん
 それは釉薬の違いだったり、窯焚きの時の雰囲気の違いだと思います。釉薬は5、6種類ぐらいはあるので、それで色合いが違ってきます。灰の種類が違ったら色合いが違うので、使い分けています。

のぶちか
 釉薬にはどんな違いがありますか?

村山さん
 だいたい全部天然の灰と長石、あとちょっと珪石入れています。
 これは知り合いの方の薪ストーブの灰をもらって。たぶん樫とか硬い木の灰は割りと安定して白く焼き上がるので、それを頂いて水簸して釉薬原料として使ってます。
 硬木だと白っぽくなるんじゃないかっていう感じがあって。

 鉄分が多いような木だと青みがかるようなんですけど、ちょっと私もちゃんと勉強してないから分からない点もありますけど笑。
 灰は買ったり頂いたりしてますけど、買ったものでも天然のものなので、実際は何か分かんないっていう笑。あとは還元で焼けば青っぽくなりますし、還元が少し柔らかければ黄色っぽくなったりもします。

のぶちか
 灰はこれからもランダムに変わりそうですか?

村山さん
 そうですね。購入品が同じ種類の木だったとしたも、あっちに生えているのとこっちに生えているので違うので。灰が変わると色も変わってしまので、

「この白のタイプが欲しい」

 と言われても

「無理です」

 って言うしかないんですよね笑。

「この色を追求して欲しい」

 って言われると、もう完璧に調合された石灰とかだったらできるかもしれないですけど。

のぶちか
そういう条件だから焼き上がりに画一的性を感じない訳ですね?

展示場にて

村山さん
 そうですね。やっぱり昔のものが好きなので。昔はもう合成土灰なんか無いので、そうなるとやっぱり天然のものを使わないとそういう風合いは出せないので…。
 完璧に同じものを求められると、ちょっとそれは難しいと答えるしかないですね。
 柄とかもオーソドックスで今だと少し古臭く感じられてしまいそうなものでも、色合いとか釉薬の感じはやっぱり昔のものの方が好きですね。

のぶちか
 古いものを見るきっかけだったり、見ていた時期だったり、見ていたものだったりってありますか?

展示場外観

村山さん
 育った家が古民家で、父親も天然の原料で器を作っていたんですけど、その器を使って育った事とか…。古いものが好きだったんですよね、感覚的に。マンションとかで暮らした事もないので自然にって感じですけど。(古いものは)落ち着くというか、好きというか、ですね。
 あとはちっちゃい時からアジアの雑貨屋さんに行くのが大好きでした。アジアの雑貨屋さんにある手作りの刺繍とか、ああいうのは好きでしたね。今も好きですけど笑。
 なのでまあ、アジアの感じの焼き物とかいろんなものがヨーロッパよりは好きですね。東南アジアだったり、中央アジアだったり、あの辺りが好きです。

のぶちか
 では(絵付けの)柄モチーフはその地域の?

村山さん
 そうですね。シルクロードあたりの感じです。

のぶちか
 ギリギリ、アジアテイストの残るエリアの感じですか?

村山さん
 そうですね。そのアジアテイストが融合している感じが好きなので、そういう感じになるのかもしれないですよね。

のぶちか
 例えばこれは何ですか?

瓔珞紋の器

村山さん
 昔からある※瓔珞紋(ようらくもん)です。有田とかは青色の呉須で染付(絵付け)をするんですけど、これはちょっと茶色を入れてるので同じ柄でもなんかちょっと雰囲気が変わるのかなって。
 更に外に黒を蒔いているので伝統的な瓔珞文とは違って見えるのかもしれません。
 そんな感じでベトナムやペルシャや日本、中国とかも参考にしています。

のぶちか
 ヨーロッパは含まないんですね?

村山さん
 ヨーロッパ系は見ないですけど、ただ夫はヨーロッパ系が好きだったので、知らぬ内に影響受けているのかもしれないです。

のぶちか
 これは何ですか?

サビ花更紗唐草

村山さん
 それは、日本の唐草なんですけど。日本の唐草の場合は全面に描いてある場合が多いですけど、あまり全面に描き込んであるのは、自分が使う時はあまり好きではなくて笑。
 どうしてもちょっと抜いた感じに…。

のぶちか
 そうなんですよね。その抜き加減に何か新鮮さを感じるというか。そこが(村山さんの染付に)オリジナリティーを感じている部分なのかなぁって。

村山さん
 だって料理を盛り付けたら結構料理で賑やかになるので、(器は)脇役で笑。

のぶちか
 描き込むよりは…。

村山さん
 そうですね。そういうタイプのものは得意な方にお任せして、自分は時々ちょっとだけ(描き込んだものを)作ってます、忘れてしまわない様に笑。

のぶちか
 これはどういうモチーフなんですか?

サビ唐草

村山さん
 それも日本の伝統的な唐草文様の一部ですけど、日本の伝統的な唐草だと必ず花が入るので、花を無しにしたらどうかなって笑。

のぶちか
 ベースがありつつちょっとアレンジして?

村山さん
 そうですね、花無しにして。それと線描きは茶色とか濃い呉須で描いているので、全然違う雰囲気になりますよね。
 でも本当にそれはよくある花唐草の壺とかの部分と同じです。そこから花を抜いて全面描き込みじゃなくしたら、料理も盛り付けやすいかな?みたいな笑。

のぶちか
 例えばこれは作品名だと何になるんですか?

サビ花更紗唐草紋

村山さん
 サビ唐草です。

のぶちか
 あぁ、茎を錆び色の呉須で描いているから?

村山さん
 そうですね。花が入ったら花唐草って呼んでるんですけど、花が無いものはただ唐草と呼んでいます。

のぶちか
 先日、倉敷で初めて作品を拝見した時、古典的でもあるしどこかオリジナリティも感じるし、

「なんなんだろう、この惹かれてしまう理由は?」

と、ずっと頭の中で考えていたんですけど…。

展示場には村山さんと御主人の服部克哉さんの作品が並びます。

村山さん
 先日、京丹後であったイベントに参加したら、参加者が私を古い物を売ってる人と思ってたみたいで笑。
 何人かに、

「これは何年前のものですか?」

 と聞かれたので、

『私の器がそんな風(古物)に見えるのかな?』

 って思いました笑。
 まあ嬉しいですけどね笑。パッと見の雰囲気がそういう昔のものに見えるのかな?って。とにかく(古物でない事に)ビックリされました笑。

のぶちか
 確かに(倉敷での出品作品には)素地と呉須の感じは幾つか時代(古さ)を感じるものがありましたね。(今は在庫が少ないので)一度、作品の全体像が見えたらきっとその謎も分かるんでしょうね。

村山さん
 私の器だけだとこういう釉調のものしか無いので分かりにくいかもしれないですけど、やっぱり石灰系の釉薬とかを使ってる同じ絵柄のタイプのものを横に並べると、多分明らかに差があるのかなっていうのは思います。

のぶちか
 どういう差ですか?

村山さん
(石灰系の釉薬の場合)絵付けがクッキリ、ハッキリとした感じというか。  あとは薪窯とかも影響してるかもしれないです。

素焼き用の電気窯

のぶちか
 あぁ、それは大きいかもしれないですね。当時は薪窯しか無かった訳ですもんね。

村山さん
 そうですね。ガス(窯)とか電気(窯)で狙ってこんな雰囲気は出せないので。狙って出すとちょっといやらしい感じにもなりますし。そういう部分が雰囲気として古っぽい感じと共通点があるのかな?って。

のぶちか
 先日、

「これは※ふりもん(ふりもの)があるからB品扱い。」

 と仰ってたじゃないですか。個人的にはふりもんがあっても魅力を感じるものは販売させて頂きたいのですが?

展示場入り口

村山さん
 お店によって違うんですけど、こちらとしてはあのそういうものはこう若干安くしたりとか。
 小さい鉄粉(黒点)とかだったら同じ値段で販売するんですけど。(ふりもんの様な)そういうのが好きなお客さんもいらっしゃるので、個展の時などは色々と混ぜて販売しています。

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窯の事 

窯小屋

のぶちか
 この薪窯は西洋式なんでしたっけ?

村山さん
 はい、ガス窯と同じ仕組みの※倒炎式です。炎が全体的に回って抜けていくので、焼きムラがあまり無い窯です。登り窯や穴窯は前から薪をくべるので、両脇が焼けなかったりするんですけど、これはどこも焼ける窯ですね。

窯の詳細はこちら

のぶちか
 こういう形の窯はどこのものなんですか?

倒炎式薪窯

村山さん
 イギリスで使ってたのかなぁ?一時、やっぱりそのガス(窯)とか灯油(窯)とか出て来る前にはこういうのが普及したらしいんですけど。
 日本に取り入れて普及させようとしたかもしれないけど、登り窯からいきなり灯油(窯)に変わったのかもしれないですけど。
 (小さいから)個人で焼き物をする場合には良いですけど、やっぱり窯元とかだったらこれではちょっと小さいから(普及しなかったのかもしれない)…。

のぶちか
 この窯は御自身に作られたんですか?

村山さん
 そうなんです。親がこれと同じ窯を使っていて。
 有田にいた時に川上清美(唐津の作家)さんも見に行きましたし、他にも薪窯をされてるところが多かったので、すごくいっぱ行かせてもらったりしました。
 夫は窯作りの手伝いに行かせてもらったりしてたんですけど、登り窯は3日間焼かないといけないので、ちょっと大変そうだという事で、この窯でやってみようという事に。
 それとここなんですが、私の磁器は還元をかけるんですけど窯が膨らんじゃうんですよ。

炉圧により生まれたレンガの凹凸

のぶちか
 すごい!へーすごい!
 これ、レンガをこういう風に組んだんじゃなくて!?

村山さん
 圧で窯が膨らんでそうなるんです。
 だからあの何年かに一度は直さないと膨らんで膨らんで笑。たぶん、還元焼成される作家さんはそういう状態に窯が膨らんでると思うんですけど。

のぶちか
 へ~!それで何時間位焼くんですか?

村山さん
 朝の4時半に火を点けて夜の9時か10時に終わります。

のぶちか
 それは窯を開けるタイミングではないですよね?

村山さん
 違います違います。
 夜の9時あたりで最高温度になったら薪をくべるをやめて、丸2日間冷めるのを待ちます。
 急いじゃうと多分冷めるのは早いかもしれないですけど、冷め割れした事があったので。

のぶちか
 やはり急ぐと乳(ヒビ、貫入)がバンバン入りますか?

村山さん
 磁器は大丈夫なんですけど、土物がちょっと…。

のぶちか
 磁器、大丈夫なんですね!?

村山さん
 磁器は冷め割れした事は無いかもしれないです…。運が良いだけなのかなぁ~私笑?
 ちょっとドキドキしてきた笑!

のぶちか
 いやいや(脅かす訳ではなく)!透明釉の表面っていうか、そこだけ乳が…、パッとかね(←なんとかドキドキを解きたいと必死)。なんか急冷するとそんなイメージもなくはなくて汗。

四角い穴が焚き口。
ここから薪をくべて窯内部の頂上に炎が向かった後、下におりていく構造。

村山さん
 もしかしたら数個ぐらいはあったかもしれないですけど、困るほどは経験が無いですね・・・。

のぶちか
 ええっ!?
 じゃあ…窯焚き名人ですね。

村山さん&こーすけ
 笑笑笑!

村山さん
 でも作りで失敗したりとかはあるんですけど…、窯炊きで失敗した事は無いです、お陰様で笑。

のぶちか
 めちゃくちゃすごいです!

染付ものは灰が被らない様に窯の下部に詰める。

村山さん
 あとは窯の上部は灰が被りやすいので、描いたのはここから下の棚板に詰めて、灰がかかった方が良い様なものを上に詰めるみたいな感じで。

のぶちか
 降りものが直に当たらない様に…。
 これで被らないんですか!?

村山さん
 そうですね。
 でも、あのびっくりされます、※匣(さや)とかに全然入れてないので。
 まあ、時々ちょっとは灰を被ってるのもありますけど。詳しい方は匣に入れずにこんな普通に焼き上がるのか?ってびっくりされますね。

のぶちか
 やぁ…、すごい(しみじみとした感じで)。

廃材の薪の前で

村山さん
 薪は解体屋さんから廃材を頂いて、200年物の貴重な木を使っています。やっぱりでも松の方が火力が高いので、松は温度を高温にもっていく最後の方に使って、廃材は低い温度帯で使う様にしてます。薪割り機で子供が薪割りバイトしてくれて笑。この1年、薪割りしてないかもしれない笑。

のぶちか&こーすけ
 笑笑笑。

―終―


※瓔珞紋(ようらくもん)
 インドの貴婦人の首飾りをかたどったもの。富貴を表す文様でもある。

※ふりもん(ふりもの)
 素地にほこりなど不純物が入ったまま焼き上げてできる黒や茶色の点。また、焼成中に灰などの不純物が器の上に降ってきて、それが付着したまま焼き上がった部分。

※倒炎式
 炎が下から天井に当たって窯の下に戻り、下の煙道を通って煙突から出て行く方式。

※匣(さや)
 焼成時に降り注ぐ灰がかからない為の容器。

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<MUDDY 村山朋子> 

インドに行ったとき、「親の職業は焼き物屋」と答えたら、
「僕は職業でなんか人を判断しないから。」となぐさめられました。
焼き物屋はインドでは低いカーストの職業なのでしょう。
その時、日本の焼き物が特殊だと気付きました。
それから暗く迷う時を経て、少しずつ焼き物を始めました。
けろくろでの成型、磁器の薪窯による焼成、
有田の伝統的技法による下絵付け、上絵付け、をもとに、
毎日の生活に潤いを与えてくれるもの、
安心を与えてくれるものを目指して制作しています。

MUDDY公式HPより引用

MUDDY 村山朋子 
~略歴~

1979年生まれ。
京都府綾部市の白雲窯に育つ。
2003年佐賀県立有田窯業大学校ろくろ科修了。
2004年佐賀県立有田窯業大学校絵付科修了。
佐賀県立有田工業高校夜間ろくろコースに1年通う。
有田の草山窯にて5年勤務。染付、赤絵担当。
2009年京都府舞鶴市に移住。
2010年薪窯完成。

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