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たのしいくるしいものものしい『Wings of Vi』のせかい

 こんばんは。今日はたのしいゲームについて書こうと思います。

 私がよくお世話になっているDiscordサーバーでも人気で、3人が同時にGoLive機能でプレイ配信をするといったことも頻発していたくらい。私はちょっと遅れてプレイをし始めたのですが、とてもたのしいです。ここで、そのサーバーの方々の感想を一部見てみましょう。

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あれ?


『Wings of Vi』とは、天使の冒険譚

 2014年11月29日Steamでリリースされた超高難易度2Dアクションゲーム。グラフィックはいわゆるドット絵で、レトロ感がある。主人公の天使・Viを操作し、魔王を倒すのが目的。名前の読み方はたぶんヴァイ、もしくはヴィだが、正解はわからない。海外のRTAイベントでは「ヴィ」と読んでいた気がするが、個人的には「ヴァイ」派。単純明快で、サクサクと進めることができる。ボス戦だけでなく、ボス戦までの道中にも様々なギミックがあり、歯ごたえのあるアクションゲームがしたい人にはもってこいの作品。ただ、残念ながら日本語対応はしておらず、全編英語となっている
 ストーリーは「捕らえられている魔王に石を投げておちょくってたら、魔王の封印が解けちゃって大変! 仲間のRubiがさらわれたので助けに行って、ついでに魔王も倒しちゃおう!」というようなもの。たぶんこんな感じだろう。知らんけど。

嘘は言ってない。たぶん。うん。

ヘッダーのロゴは公式ページより拝借しております。


この天使、難易度設定がバカ

 超高難易度ゲームとして有名な『I wanna be the guy』。通称「アイワナ」。このアイワナには、ファンが作成した派生作品が多数ある。本作は、その派生作品の中の1つである『I wanna be the boshy』の製作者・Jesper "Solgryn"氏が開発している。だから納得できる。難易度がバカ
 ゲーム開始時に「Angel / Motal / Demon」という難易度選択ができます。いわゆる「イージー / ノーマル / ハード」という感じですが、Steamコミュニティでは「難しい / クソ難しい / 鬼難しい」と表現されている人もいるように、一番簡単とされる「Angel」でも十分すぎる難易度となっている

 難易度による違いは「ステージ中の足場の有無」「敵の攻撃頻度」「敵の攻撃パターン」「ダメージ量」「セーブポイントの数」といったところだろうか。Angelでは、さらに即死した場合、50ダメージで即時再開という強大なお助けシステムがある。試しに最高難易度の「Demon」でやってみたら、開始10分くらいでしんどすぎて諦めてしまった
 上記のような難易度なので、1ヶ所で10回や20回は簡単に死ぬのが当たり前です。しかし、リトライが早く、再開がすぐにできるため、思ったよりもストレスは少ない安心して100回死にましょう

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AngelMortalの一部を比較した画像
セーブポイントと足場の有無が違う

やることが……やることが多い……!

 ボスまでの道中、様々なギミックが用意されている。一例を挙げると、当たったら死ぬレーザーの壁をOFFにするスイッチを押して進むステージ。一回押すと数秒レーザーが消えるので、その間に通り抜けるというのが動きとしては正解だ。

 さぁ、ここで問題。スイッチが最初と中盤にあり、レーザーの壁は2つ。最初のスイッチを押してからだと2つ目のレーザーの壁が復活して通れなくなる。中盤のスイッチは1発で死ぬトゲの上にある。どうしよう。
 正解は「1つ目のスイッチを押して進み、トゲの上をジャンプで飛びながら2つ目のスイッチを押す。そして通り抜ける」だ。え? 間に合わなかった? じゃあ、もっと無駄をなくして最速で正確に動こうね。あ、そうそう。セーブポイントはもうちょっと先にあるよ。次はね、スイッチが3つでレーザーの壁は4個あるからね。がんばってね。あ、その次は自動で動く足場付きの仕掛けもあるよ。

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……30分後……

 やっとボス戦だね。じゃあ、パターン覚えられるまで戦おうね。パターン覚えた? 後半は発狂状態になって攻撃が激しくなるから、これも覚えてね。え? 最後に即死攻撃喰らった? それは与えるダメージが少ないせいだね。時間をかけて、冷静に攻撃を避け続けて、ゆっくり攻撃して倒せると思ったら大間違いだよ。

激しくなる攻撃

さぁ、倒せるまでリトライだ。


様々なところで精密な操作が求められるアクション

 ゲームの最初に簡単にレース形式のイベントがあり、そこで操作を覚えるような仕組みになっているが、そこがすでに難しい。ジャンプ操作は基本的に1回。ジャンプせずに足場から落ちた場合、空中で1回飛ぶことができる。これが最初はわかりにくく、苦戦してしまう。1回のジャンプでは届かないが、足場からジャンプせずに落ちてからジャンプすれば届く、というような操作が求められる。

 ゲームを進めて、アイテムを手に入れることで新しいアクションができるようになると、さらに選択肢が広がる失敗したら即死からのやり直しという状況で、どのアクションをどのタイミングで使うべきなのか、終始考えさせられる。そのため、頭が固い人はなんてことない道中で進めなくなることも多いかもしれない。いろんな可能性を考えて、使うアクションの順番を考えてみよう。なんだか「パズル」のような側面もあるように感じた

 特定の場所には隠しアイテムがあり、そこに行くにはわずかなミスも許されない。正確に、最短距離で進まないとたどり着けない場所に隠されてる。私はそういうのが気になり、意固地になって挑戦し続けてしまうが、こだわりがなければ素直に諦めてしまって良いと思う。

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即死の針とレーザーの壁、刺々しい回転する棒……

これぞボス! 圧倒的驚異の異形の怪物!

 全体的にグロテスク気味なデザインが多いボスたち。その見た目に負けない、非常にハードな攻撃が得意だ。初見では絶対に回避不可能な攻撃を連発してくる。しかし、何回、何十回とやられていくうちに、攻撃を出す前兆やパターンを掴むことができる。しっかりとボスと向き合い、攻撃を見続けることで最終的には倒せるような構造だ

 『Wings of Vi』には「ボスをノーダメージで倒す」という実績が用意されており、必ず避けることができるということが保証されている。一見「こんなの無理だろう!」という攻撃も、必ず避けることができるのだ。ただただ乱暴に難しくしているわけではなく、こういったバランスも細かく調整されているのは素晴らしい。いや、まぁ、攻撃パターンによっては回避不可能っぽいこともあるけど、それはたまたまだから……。
 実際にやってみるとわかるが、1つ1つの攻撃パターンは複雑なものではない。普通に考えれば、簡単に避けることができるものが多い。それが同時だったり、少しの時間差で降り注ぐだけで、非常に難しくなっているのだ。そこに気がつくことができたら、もう勝利は近い。
 また、一部のボスはプレイヤーが死亡後にリトライせずにいると仲間を食い殺すという行動をする演出もあり、細かい仕掛けに驚く。
 ちなみに、私は1体のボスを倒すのに2時間ほど平気でかかっています。たのしい

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このあと、あんなことに……

繰り返し聴いても飽きないBGM

 ドット絵のグラフィックに合わせた、ちょっとレトロ感のある音楽が多い本作。先に書いたとおり、リトライを繰り返し、同じ場所で1時間停滞ということも少なくはない。だが、BGMのおかげで繰り返しプレイも苦ではない
 ステージ毎に変わるBGMはどれもマッチしており、プレイに勢いを与えてくれる。ボス戦ではボス毎に違うBGMが用意されており、毎回ワクワクしながらボス戦に臨める。
 個人的には、地上で流れる『The Bravery』が好き。爽やかで明るくキャッチーなこの曲は、『Wings of Vi』の癒やしであった。


長く、ものものしい天使の旅の終わり

 さて、こんな天使とのたのしいお遊びも終わりを迎える。ようやく魔王を倒しました。難易度はMortal modeプレイ時間は約40時間。この内、ラスボス戦に11時間30分を要した。「このままやっていれば、もうすぐにでもクリアできそうだな」という雰囲気が6時間くらいあった気がする。久しぶりに歯ごたえのあるアクションゲームができて、非常に満足です。辛そうに見えていたかもしれませんが、終始面白くプレイをさせていただきましたストレスもそれほど感じませんでした。いや、まじで。全ては自分の腕前と判断力がほんの少し足りないだけなので。
 PS4とかに移植されたら、ぜひもう一度プレイしたいが、ゲーム内の残酷な表現を見るに、家庭用機での配信は難しそうかもなぁ……。 

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ゲームクリア時のリザルト画面。
ギリギリ5000デス以内。

私の思う『Wings of Vi』の面白さ

 このゲームは難しい。たくさんの経験を積んできたゲーマーでも、簡単に心を折られてしまうのもわかる。だけど、面白い

 『Wings of Vi』の面白さは、一種の「謎解き」のようなものだと思っている。道中やボス戦でのアクションでは、どんなギミックがあるのかを探り当てる必要があることが多い。この「ギミックを解き明かし、突破できたときの気持ち良さ」が最大の魅力だ。他のゲームでも同様の体験ができるが、本作ではさらにアクションの精度が求められることで、突破した際に数倍の高揚感が得られる

 上記のことから、個人的にはネタバレや攻略動画を見てからのプレイよりも、自分の手で試行錯誤しながら進んでいくことをおすすめする。私はクリアまでDiscord上ですべてのプレイを配信していましたが、クリア済みの方々は共感することはあっても、明確なアドバイスやギミックの説明はしてくれませんでした。一見不親切のように感じますが、むしろありがたかったです。おそらく、他の方も「初見で挑む面白さ」というものを感じて欲しかったのだと思う。この場を借りて、感謝します。

 「ただただ、苦戦している姿が見たかった」というわけではないでしょう。たぶん。

 これで興味を持った天使予備軍のみんな。怖がらないでいいんだよ。まずはAngelから始めようね。

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 それでは。

 おわり。


先にクリアした「天使」が遺した手記

 私より先にクリアし、私のプレイを見守ってくれた「天使」たちの記録をここに置いておく。私とはまた違った『Wings of Vi』の世界を垣間見ることができます。ぜひ、こちらもどうぞ。


最高難易度「Demon」への挑戦

 DemonModeでクリアを目指した記録です。よかったらこちらもどうぞ。

 

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