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Yorenに入社を決めた理由

9月末にサイバーエージェント・キャピタルを退社したあと、日本発中国スタートアップのYorenに入社して3ヶ月が経とうとしています。最初の区切りですし、ちょうど年末年始ということもあり、「なぜYorenへの入社を決めたのか?」を改めて書き残しておこうと思いました。


1. 文化と文化をつなぎ、人と人とがわかりあえる世界をつくる

ビジョンに共感した ー よくある入社を決める理由の一つですが、私もたぶんそれに含まれると思います。でも、どうしてこのビジョンにそんなに共感したんだろう?というのは、今回改めて考えてみたことでした。

自分が2008年に日本を離れ、たまたま中国に15年も住むことになって、いいことも悪いこともたくさんあったけど幸運に恵まれて、ちょっと認められるようになったタイミングで居た場所がちょうど中国だっただけ、と自分でも思っているのですが、それでもなぜか、中国(主語広すぎですが、国というより人とか文化、に対して)になんか特別な感情というか、思い入れみたいなものは確かにある気がします。それに気づいたのは誰かから、「何が本当にしたいかとか、何が本当に好きなのかが分からなければ、何ができなかったら落胆するか、何に対して怒りを感じるかを知るといい」と聞いたときでした。「その反対が答えかも」と。

なんだかんだ言っても隣国だし、世界の中で見たら似ている文化や価値観も多いし、それにもかかわらずお互いの人や文化が時々理不尽に嫌われてしまうのには、自分が当事者であることもあって、本当に落胆や悔しさを感じるんですね。どうしたらこういう感情を持つことが減らせるのだろうと考えたら、それがまさにYorenのビジョンでした。だから、自分にはYorenのビジョンが刺さって、深く共感したんだろうな、と思っています。

2. 中国で生き延びるだけでなく、成長し続けるということ

事業を通じてではなくとも、Yorenが掲げようなビジョンの実現に貢献できる方法はいっぱいあると思います。ただ、自分が貢献できそうかで考えると、フィールドはやっぱりビジネスの世界だろうし、その中で自分が中国という市場で多少なりとも経験があると胸を張って言えるのは、スタートアップに関わるところくらいです。

ただ、ご存知の方も多いと思いますが、中国市場の競争環境は本当に激しくて厳しい。ただでさえ多産多死がスタートアップの宿命ですが、さらに中国は市場が大きくて人が多いので、競争相手となるの起業家の数もスタートアップの数もまあとにかく多い。さらに、大成功した起業家の事例も豊富だから、熾烈な学歴競争を勝ち抜いたとびきり優秀な中国人が、自分のホームグラウンドで競い合ってるのが中国のスタートアップ市場です。この中で、海外発のスタートアップがアウェイで戦うことは本当に大変で、生き残るだけでも個人的には尊敬に十分に値すると思っているのですが、さらに成長を持続するのは至難の業だと思うわけです。

もちろん、Yorenも目指すゴールにはまだまだですし、数が少ないとはいえYoren以外にも素晴らしい成果を出されている海外発の中国スタートアップは他にもあると思います。でも、自分がこの目で15年間中国スタートアップ市場を見てきた経験から、中国に特に縁もゆかりもなかった創業者CEOの金田さんとCOOの栗栖さんが自分の想いと市場の可能性だけを信じて、Yorenという会社を創り育て、二桁億円の売上のみならずきちんと利益も出して、200名近い中国人社員を雇用しているのは、もう尊敬を通り越して驚きに近かったです。シンプルに僕もここでなにか貢献したい!と思いました。

就任を毎月開催の社員大会で祝ってもらいました。左からCOO栗栖さん、私、CEO金田さん

3. 一つのチームに全ての時間を

Yorenに加入する前は、VCという仕事を15年間ほどやってきて、たくさんの起業家の方にお会いできるというのは本当に刺激的で楽しかったです。その15年を通じて改めて感じたのは、やっぱり起業家っていう人たちは本当に尊敬の対象で、成功しようが失敗しようがめちゃくちゃ素敵な人たちだな、ということでした。

そうであれば、今まではたくさんの起業家の方たちに少しずつ近づけるのが仕事だったけど、自分が「この人だ」と思った起業家やそのチームに全部の時間を使うことが出来たら、もっと楽しいのではないか?と思ったわけです。もちろん、より近くでより多くの時間を一緒に使うことで、今までは見えなかったことや気づくこともあります。でもそういうこともひっくるめて、自分が信じた起業家やチームと、全ての時間で一緒になにかを目指す、というのはやっぱりいいものだな、幸せなことだな、と感じています。

4. 仲間を絶賛募集中です

Yorenに正式に加入して、改めて「分かっている、知っていること」と「実際にやること」との間では天と地ほどの差、かかる労力の違いがあることを再認識できました。やるべきことはわかっているし、それをやることもほぼ間違いなく正しい。でも、それには当然ながら人を動かさないと実行できないし、小さいことを含めつまづくことや労力を要してしまうことも実際は多々あります。ましてや、元々のバックグラウンドや言語を含めた文化が全く異なる人が集まる環境であれば、そのアクションにさらに時間や労力がかかることもあります。

でも、こういうことを時にはぶつかりながらも乗り越えることができたら、まず自分たちが「文化と文化をつなぎ、人と人とがわかりあえる」組織を作れたことになると思いますし、そんな過程を経て、外の世界に向けてもYorenの事業を通じてビジョンの実現に近づけるのかな、と思っています。

Yorenも他のスタートアップと同じく、仲間を絶賛募集中です。中国とアフリカというちょっとユニークな事業領域ではありますが、2024年、もしこのような環境でチャレンジしてみたいという方がいたらぜひお話しできればと思います!

次は、Yorenの事業内容とか、なぜ中国に加えてアフリカを選んだのか、などを書こうと思っています。

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