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12.世界で最も影響力のある100社

岡田光信


花の都はまだ肌寒かったです。2022年3月30日、私はパリのセーヌ川沿いを歩いていました。国境が開いたとはいえ、まだビジネスマンの往来しかないので、ふだんなら観光客で溢れているはずのこの場所はとても静かでした。


図1

突然、私のApple Watchにプルッと通知がきました。アストロスケールが米タイム(TIME)誌の「世界で最も影響力のある100社」に選ばれたと。Apple、Google、ウォルマート、Sonyなどと並んでアストロスケールは世界に最も影響力を与えていると!?すぐに、Time.comを開きそれが事実であることを確認しました。嬉しい!!

図2

これまで、数々の賞を頂きましたが、一番嬉しかったかもしれません。なぜなら、もし私達が本当に「世界に影響力がある」のだとすると、宇宙空間は持続利用可能な姿に向かっているという証拠だからです。

2013年にアストロスケールを設立した当初、「宇宙はすでに持続利用不可能なのです!スペースデブリを除去しないといけないのです!」と言っても、耳を傾けてくれる人はほとんどいませんでした。もうすぐ設立9周年。私達の言葉が世界に届いている、確実に世界を変えている。自信が確信に変わりました。

昔から思っていることがあります。未来は創るもの、どこかからやってくるものではありません。教科書に書いてあるわけでも、先生から教わるわけでもありません。それなら、未来を創る人間でありたいと。

話は変わりますが、パリを訪れる前にロンドンに寄っていました。2年ぶりのロンドンで一番衝撃を受けたのは、あのロンドンタクシーのかなり多くがEV(電気自動車)に変わっていたことです。

図3

東京ではオリンピックを機に、ロンドン型のタクシー(次世代タクシーと呼ばれています)をたくさん見かけるようになりました。荷物を乗せやすくて、私は大好きです。むしろセダン型のタクシーは敬遠するようになっているほどです。

ですが、その間に本場のロンドンではEV化していました。これはイギリスのこのタクシー業界のリーダーの誰かがが、「今、EV化しよう」とビジョンを掲げ、実行したからでしょう。反対も懸念もあったはずです。

日本の「次世代タクシー」は、ガソリンとLPG(液化石油ガス)を使うものです。EVではありません。タクシーは何年乗り続けられるのか知りませんが、仮に10年だとすると、EV化は10年遅れることになるでしょう。コロナ禍の2年でアメリカも中国も一般市民の車がどんどんEV化しました。

すべてはリーダーのビジョン次第です。世界には無数のリーダーがいます。ビジョンを語り、実行することで未来が創られます。世界は多くの難題を抱えていますが、何事であれ、今ほどスピードを持って変えていける時代もないと思います。

本受賞を契機に、私はスペースデブリ問題ではこれからも技術も事業も推し進めていく、そしてビジョンを伝え続け、もっと前へ、もっと前へと、グローバルにリーダーシップを発揮していこうと改めて決心しました。世界の法規制づくりにも引き続き貢献していくぞ!!


・・と、そんなことを考えながら歩いていたら、次の会議の場所、ヴァンドーム広場にたどり着きました。高級ブティックが立ち並んでいます。やはり観光客がほとんどいません。雨がパラパラと降り始めました。パリらしい天気です。
図4

会議に向けて気合を入れていたその時、プルッとApple Watchから新しい通知が来ました。「阪神タイガース開幕5連敗」とのこと。長年のファンである私にとって、阪神タイガースは「最も影響力のある会社」の一つです。是非、この悔しさをバネにリーダーシップを発揮して、2022年、新しい未来を創っていって欲しいと考えています。

実は、このNoteは書いたのは4日後の4月3日です。私はイスラエルのテルアビブのレストランにいます。先程速報によると、「阪神 セ・ワーストの開幕9連敗」だそうです。なかなか勝ち星のニュースを聞くことができません。ですが、長い歴史の中にアップダウンはあるものでしょう。弛まない球団努力があるから私はいつまでも応援していられると思うのです。

アストロスケールのミッションも時間がかかるものです。山を越えてまた山が見えることの繰り返しです。それくらい厄介な問題に取り組んでいるのですから、当然アップダウンもあるでしょう。これからも、世界で最も影響力のある会社であり続けるために、努力を続けていきたいと思います。

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岡田光信
株式会社アストロスケールホールディングス 創業者兼CEO。1973年生まれ。兵庫県出身。東京大学農学部卒。 国際宇宙連盟(IAF)副会長、英国王立航空協会フェロー、世界経済フォーラム(ダボス会議)宇宙評議会共同議長等を兼務。 著書「愚直に、考え抜く。」(ダイヤモンド社)