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2024.5.19

うちの母親は、決して悪い人では無いが
良い母親かどうかは、
(こんなことを云うと罰当たりで親不幸者に思われるかもしれないが)

分からない。

オレの実の父親は、俺にそっくりのロクでなしの穀潰しだったらしく俺が2歳の頃には居なくなっていて、その後次々と現れる父親たちも、碌でもないジプシーみたいな二枚舌か、口より手が先に出る輩か、夜中に泣き叫びながら何か目に見えない敵や浮気相手と戦って世の中の不幸全てと心中しようとする落伍者だった。

一回でも二回でも嫌だがそれが何回も何回も続いて大河ドラマみたいに毎年の恒例になった。
(見せもんじゃねえ、カメラ止めろ)

ある日家に帰ると、NHKが英語音声に切り替わっていて、奥のソファには見知らぬアーネスト・ホースト似の黒人(ハイエース窃盗団の一味)が座ってくつろいで居たこともあった。

あの時は流石に腹が捩れるくらい笑った。
心底呆れたその更に向こうぶちまで一気に感情が加速して、笑った。男を見る目がバグってる。なんじゃハイエース窃盗団って。こちとら黒ひげ海賊団にすらビビってワンピース読んどるんに。そんな奴家に上げんなや。

あと未だにロシアのこと「ソビエト」って云うのはちょっとスキ。冷戦まだ終わってなかったのはある意味このご時世合ってたわ。

家電屋で「すいません、"パワースポット"の入ったパソコンはどれですか?」云うて攻殻機動隊みたいな世界観で圧倒したのは感動。

「お客様、それはおそらく『パワーポイント』のことではありませんか?」とミルクボーイさながらコーンフレークとちゃうかムーブを返刀で喰らい、「…もういい!帰る!」と顔を真っ赤にして俺と高校進学祝いを楽しみにしていた甥っ子を残し店を出た姿はゲセガラガラガラガラガラガラゴー! ホゥホゥ♪(M-1の出囃子)

あと、
「いやもうね、最近は"ばぁちゃん"なんてよく言われるもんだから、こりゃいかん思いましてね、パソコン教室習おうかしらなんて思ってまして。

えっ?やりたい事?

そりゃもちろんアレよ。アノニマス。うん、アノニマス!」

ってワリャ マジで押井守とかマトリックス見過ぎた30,40代の作家でもついとんけ?
云うツカミばっちり決めるけぇ たまらんのう。
日本のパソコン教室なんや思てん。
しかも国際的ハッカー集団になりたい、やなしに
"やりたい"って何やそれ。いかつ過ぎるやろ。 

いかつ過ぎる云うたら、
自慢になんてしたくはないが親父だけでサッカーチームが作れるくらい男が出入りしていた。

サッカーなんてしないだろうけど。
まあこっちもそんな糞サッカーチームのサポーターも監督もしたくないんだけどね。

「お前、親父とキャッチボールした事ないだろ」とクラスのガキ大将的ポジションのやつにバカにされ、見せしめで無理矢理クラス対抗ソフトボール大会(スポーツ大会)でピッチャーをさせられ、フォアボールだけでコールド負けした時もあった。

今思えばこの上ないくらいオモロい話やんか自分、と胸を張って居酒屋やガールズバーなんかで鉄板ネタにするんだろうけど、まだ思春期真っ只中だったジブンにとってはそれはそれは辛い出来事だった。

キャッチボールも4番目の親父(背番号ちゃうで)と確かした事があったが、まあそいつの今思えば虐待とか体罰だったのかなってぐらいの熱血指導が嫌で嫌で堪らなかった。

球技なんてクソだ!って話を姉にしたら「紫外線がマジでダルいんだわ太陽死ね!」って返されてワリャ冥界の王か、はたまた闇堕ちした谷川俊太郎か思うた。
でも家族の中で一番優しい人。家族想いだし色々なトピックの話題が出来る人だし。いつも尊敬してる。
本当にこの人があの母親の子宮から生まれてきたのか?とすら、たまに思う。

親が居ないとか、親が毒親とか、まあ結局大人になって自立してしまえばそない関係ないことなのかもしれないけれど、やっぱりそれでも強烈な影響やらトラウマやら後遺症みたいなんは残ると思とるんじゃワシはのう。

それでもまあ家族は家族やし、色々クセ強いけれども楽しい人だから5.18の昼は、「久しぶりにみんなで外でメシでも」つってみんなで蕎麦屋行ってメシを食った。

そしたら、今しがたよ。このド深夜に(AM3:00)「あんた、◯◯(姉)に2,000円渡した!?あれ渡してないなら返して!?」って連絡来てよ、渡した渡してない返した返してないじゃあもう明日2,000円持ってくから寝かせてくれってもうワアアアアアア!!!って発狂したくなるくらいアレだったんですけど、最近やたらと、母の物忘れやら危険運転やら何を言っとるのか分からん妄想?作話?が多くてなんかもう、いよいよ来たのかなぁ…ってスッゲー憂鬱になるんだわ、もう…ハァ。



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