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ドラマ『少年寅次郎』の素晴らしいところ

映画『男はつらいよ』の前日談である、このNHKドラマの一番素晴らしいところは、寅次郎のお母さん役の井上真央である。少年時代の寅次郎の役者は、渥美清にそっくりなのは笑えるが、演技はイマイチである。それをおぎなう井上真央の演技が本当に素晴らしい。どうして良いかわからないという心情をほとんど「目の動き」だけで表している。これぞ「映像演技」の表現力だ。本当にうまい。

最終回で、自分が不治の病だとわかった車光子(井上真央)は、病室のベッドで夫平三(毎熊克哉)の手をそっと握る。ろくでなしの夫でも深く愛していたという証(あかし)を最後に見せる涙なしでは見れないシーンだ。

ぼくにとってこのドラマを見た収穫は、平三役の毎熊克哉と、寅次郎の生みの親である芸者のお菊を演じた山田真歩という達者な演技者を発見出来たこと。二人とも自堕落な役だが、リアルを感じさせる演技が見事。

芸者に産ませた子であるという引け目からか、寅次郎に日頃から辛くあたっていた父親平三を、母の葬式の後、ついに殴って家を出て行く寅次郎(藤原颯音)。柴又駅で見送る妹のさくら(野澤しおり)に、なけなしの小遣いをもらって行くところも泣かせる。

このドラマを見て、映画シリーズを再度観ると、『男はつらいよ』の世界がより立体的に見えてくるのでおすすめです。

『続男はつらいよ』では、散歩先生(東野英治郎)や娘の夏子(佐藤オリエ)、それに生みの親お菊(ミヤコ蝶々)も登場する。

ラストシーン、京都の橋の上で、いがみ合いながらも、寅次郎とお菊が二人で歩いて行く姿は、あの万年筆をもらうドラマのシーンを思いだすと、見ていて救われた気分になる。

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てなことで、初めてこのnoteに投稿してみました。こんな感じでいいのでしょうか?どうぞよろしく😄


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