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自社技術×汎用技術×AIなど情報系技術の組合せの可能性

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【今日のポイント】

健康診断のCTなどでもお世話になる超音波や放射線は、検査や観測技術だけでなく、モーターやマイクロロボットの駆動源、医療技術など用途を広げ続けています。

自社の既存技術と上記のような汎用技術の組合せに更にAI・IoTなどの情報系技術を利用することも、新規市場開拓をシーズ面から検討する上でも有効性を増すものと考える次第です。


1.超音波の利用方法の広がり(計測、モータから医療用へ)

先日、 2023/8/17の、1日5分ビジネス英語で、以下の記事を聞いて、普段お世話になっている、超音波CTなどの計測技術が、更に用途を広げていることに興味を感じました。

『超音波治療の秘密を解き明かす Unravelling Secrets of Ultrasound Therapy』
https://matt-english.com/podcast/20230817

上記の記事では、脳腫瘍に薬物のマイクロカプセルを注入するために超音波が発する熱を駆動源に利用する方法などについて紹介しています。

以下の、NEDOの若手研修者産学連携プラットフォーム( https://wakasapo.nedo.go.jp/ )の技術シーズ紹介の記事でも、海洋からパイプラインまで、様々な液中を超音波振動子によって動く液中ドローンの技術を紹介しており、
観測、加工や超音波モーターのような駆動系に利用されている超音波を輸送・移動用途へ応用するという点で、
超音波という馴染みのある技術の汎用性や新規用途の可能性を改めて感じた次第です。

『超音波推進システムによる液中自走式ロボット』
2022/11/21の、NEDO若手研修者産学連携プラットフォームの記事。
https://wakasapo.nedo.go.jp/seeds/seeds-2410/


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2.既存技術×AIなどのシミュレーション・分析技術の組合せによる新規用途開発

上記の様な、既存技術の新規用途の広がりは、レーザーや放射線など、他の分野でも進んでいることは、
計測や加工で使われているレーザー光で皮下注射で注入するロボットを駆動する例や、レントゲン検査の様な観測手段としての放射線をガンマーメスの様な手術の手段に広げる例など、

既に幅広い用途で使われている技術が、新たな研究で得られた知見によって更に用途を広げる事例などからも窺われるかと思います。

超音波やレーザーは、上記のような駆動・移動手段の他にも、化学物質の濃縮や核融合の水素圧縮などにも利用されており、これらの技術がデジタルツインなどのシミュレーション技術や、AI・IoTなどの情報収集・分析・制御技術と組合されることによって、更に用途を広げていくものと感じた次第です。


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3.自社の技術に組み合わせる技術やサービスのカテゴリを考え、情報を集める

上記のような、超音波やレーザーの新規用途開発と同様に、自社の既存技術の新規用途の開発は、常に企業では検討されている課題ですが、

その際に、自社技術をそのまま、あるいは単独で改良して利用するだけでなく
AIやIoT、通信などの他の分野の技術と組合せることも、既に多くの分野で進められています

自社技術が何らかの形で関与できそうな市場で必要とされる他の技術を探して、事業提携やライセンスによる技術導入などで組合せることは、既に検討されているかと思いますが、

マーケット起源やニーズ起源に加えて、上記の超音波やレーザーの様に既に広く使われている汎用技が持つ特性のうち、
・現在使われている特性が自社技術と組合せられないか、
・また、その技術が持っている他の特性(今回の超音波が持つ熱発生機能など)が利用できないか
・上記のような技術同士を直接組合せるだけでなく、その間にAI・IoTのような情報系の技術を入れることで実現可能性を高めたり、新たな用途を開発することが出来ないか

という、シーズ側からの発想も組合せて検討する習慣や、そのための情報収集の仕組みや相談相手を持つことは、自社の見えない強みとなるものと考える次第です。


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【今日のまとめ】

・超音波は、反射音を利用した計測技術だけでなく、超音波モーターやマイクロロボットなど駆動エネルギーの伝達手段としても利用が広がっている

・超音波に限らず、レーザーや放射線など、観測技術からの更に用途を広げている汎用技術も多く、AI・IoTなどとどの組合せにより、その傾向は更に強まるものと予想される

・自社の既存技術の新規用途開発においても、超音波のように汎用性のある技術の現在利用されている特性と、それ以外の特性の双方について、自社技術との組合せを、AIやIoTを仲立ちに入れて検討することは有効な手法であり、その習慣と情報収取の仕組みは自社の見えない強みになる

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