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「コーヒーの2050年問題」にみる「単一策」依存の危うさと複数の選択肢の重要性

【今日のポイント】

 私も愛飲しているコーヒーですが、温暖化問題で生産地が半減するという「2050年問題」は他人事ではないと感じます。

 コーヒーに限らず、単一品種に依存するリスクはバナナなどの食品や天然資源でも目にしますが、
自社が必要とする資源についても単一種類あるいは供給先に依存していないか、またその将来性を随時考え取りうる選択肢を検討することの必要性が増していると考える次第です。


1.コーヒーの2050年問題

 朝の一杯を始めとして、コーヒーを愛飲されている方は多いのではないかと思います。

私も朝食時と午前中、昼食時などにそれぞれコーヒーを飲んでいます(以前は1日5杯以上飲んでいた時期もありましたが、最近は、睡眠への影響を考えて、なるべく飲むのは14時までと気をつけているところです)。

このように、愛好者の多いコーヒーですが、主要な品種であるアラビカ種のコーヒーの栽培地が、温暖化の影響で、2050年には半減するという「コーヒーの2050年問題」というのを最近知りました。

ネットで検索してみると、昨年も、多くのメディアでこの問題が取り上げられており耕作地の移動や、他の温暖化に強い品種の利用なども対応策として挙げられていましたが、それもかなりの時間やコストを要する上に、環境問題などの課題も生じるようで、かなり深刻な問題だなと感じさせられました。

2050年というと、まだ先の話のようですが、生産地が半減するに至るまでには、生産量の減少や価格の高騰などの問題が始まりコーヒーだけではなく、他の嗜好飲料にも影響を及ぼすのではないかと、思った次第です。


Myriams-FotosによるPixabayからの画像

2.単一品種・商品への過度な依存のリスク

 上記のコーヒーの他に、バナナについても、先進国へのバナナ輸出量の99%を占めるキャベンディッシュバナナという品種については、真菌性疾患に弱く、以前からその損害が増加しており、将来の供給危機への懸念が高まっているとの話題を目にしています。

 このバナナ問題についても、新品種の開発や、ドローンなどを用いた農薬散布などの栽培輸送技術、サプライチェーンの改革など多くの対策が進められているようですが、単一品種に頼ることのリスクが現れている例かと思います。

 また、単一品種とは異なりますが、ウクライナ戦争による小麦やエネルギー資源の供給不足や価格高騰、再生可能エネルギーの普及に伴うリチウムなどの鉱物資源の供給問題など、生産地の集中なども、単一品種への依存と同様のリスクを抱えていると、最近の情勢からも改めて感じます。


AlicjaによるPixabayからの画像

3.自社に必要な資源の将来予測と、多用な選択肢の確保の必要性

 上記のような、食品の品種や天然資源の問題は、ユーザーはもちろんのこと、サプライチェーンに関わる各プレーヤーにも多大な影響を及ぼしますね。

自社に必要な資源が単一種類あるいは供給先に依存しているときは、上記のコーヒーやバナナなどと同様のリスクを抱えていることになります。

自社商品のライフサイクルや、直接仕入れている原料の価格や供給安定性については、普段から意識しているものですが、
自社に必要な原料などの資源とその資源の供給に影響を与える他の資源などについて、将来の状況の予測まで組織的・定期的に行うことは、要員などのリソースも限られ、普段の業務に追われているため、中々難しいかと思います。

 また、食料や資源問題は企業などの一組織だけでどうにかなるものではないため、予測したからといってすぐに手が打てるものではないことも確かかと感じます。

 とはいえ、自社事業の安定や継続性、将来に渡っての成長などを考えると、自社に必要な資源とその周辺に関して、将来も含めて状況を把握しておくことは、やはり欠かせず
 今すぐではないにせよ、どのような状況になったら、どのような対応が取れるか、取るべきかを複数のケースを想定して検討し、取りうる可能性のある選択肢を社内で共有しておくことは、リスクマネジメントの面から重要性を増していると感じます。

 なお、上記の状況把握においては、必要に応じて外部専門家の知見を利用することともに、近年AIなどにより急速に進化している情報検索サービスなども活用して進めることが有効と、検討をお勧めする次第です。


Gerd AltmannによるPixabayからの画像

【今日のまとめ】

・地球温暖化による主要なコーヒー品種の生産地半減という2050年問題が近年話題になっている

・コーヒーに限らず、バナナなども単一品種への依存のリスクが高まっており、これは、最近の国際情勢による食料・資源価格の高騰のリスクにも通じるところがある

・自社が必要とする資源の将来性はやはり把握しておくべき重要な課題であり、そこでは、外部専門家の知見の利用や急速に発達している情報検索サービスなども活用することも有効と考える


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