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【人間観察】売りたいのか?売りたくないのか?

「ウチのカミさんが、店先で買う買わないで悩んでいたら、店員さんがつかつかと寄ってきて、別のバックを熱心に勧めるんだ!」

先日、友人Nさんが、銀座の某デパートでイタリヤ製B社のバックを、奥さんにプレゼントしたときの体験談を聞かせてくれた。

「いえね!カミさんが日頃から目をつけていたお気に入りのバックが、バーゲン価格で出ているもんだから、どうしょうかって悩んでいたんだよ!」

「そうそうバーゲン価格って言っても、お高いもんだから・・・買おうか?やめとこうか?って」

Nさんは、<やまのぼ>の目を覗き込むようにして言った。

「お客様!そちらよりこちらのバックがよろしゅうございます。チャックの開けやすさは、ホラ!こんなにスムーズに開きますし、裏地をみてください!白っぽい裏地の方が探し物がすぐ見つかります。」

その店員さんは、Nさんご夫婦の嫌悪感をよそに、能弁に喋り続けたらしい。

「バックの中の物って結構迷子になりますでしょ!そちらのバックの裏地は真っ黒です。探しづらいですよ!」

その店員さんは、そう言って、しきりに勧めるバッグを自分の右腕に掛け、半身のポーズで決めていたらしい。

「お客が気に入っているバックを、腐してまで自分の好みのバックを勧めるなんて、チョッと変ですよね!どう思います?」

<やまのぼ>はNさんから、急に話を振られた。

「そりゃ~君!勧めるバックの方が<利益率>がいいのか、流行遅れで<売り急ぎ商品>なのか、なにか曰く付きなんだろうねぇ~」

「ですよね!でも考えてみれば失礼な話でしょう!客のお気に入りのバックを腐すなんて!」

よくいる、あまり客に<迎合>ばかりしてくる店員さんにも閉口するが、お客の好みをそっちのけで、自分の好みばかり勧められるのも、きっと厄介なモノだろう。

帰り道、Nさん夫妻は、ああでもない!こうでもない!って<激論バトル>を繰り広げたらしい。

でも結局のところ、その店員さんが、<別のバック>を熱心に勧めた本当のワケは、いまだに不可解なまま闇の中だそうだ。

ところで、Nさんの奥さまが、どちらのバックを購入されたのか?聞き逃したけれど、<やまのぼ>も、その店員さんの真意を聞きたい衝動にかられている。


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