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【勝手に人生相談 No.45】亡き祖父からの手紙に涙(東京都・30代女性)

雑誌や、新聞などに掲載され、高名な先生方の回答済みの人生相談の中から、この【勝手に人生相談】にピックアップ。身の程知らずの<やまのぼ>が、その相談に対する、独自の回答を試みています。

▼ご相談内容▼

30代の女性会社員。

実家の掃除をしていたら、1通の手紙を発見。10年以上前に他界した、当時84歳の祖父からの手紙でした。

小学校の頃に母親が死に。幼い弟妹がいてどうしたらいいか悩んだこと。中学の時に父親の居所がわからなくなり、やむなく退学したこと。

大学の時、召集令状がきて満州(現・中国北東部)へ行き、殺されるか自分がやるかと思ったこと。

そして、励ましと私の幸せを願う言葉で締めくくられていました。

途中から字が崩れており、体調の悪い中で一生懸命書いてくれたと伝わってきました。

封が開いていたので読んだはずなのですが、全く覚えがなく、返事を書いた記憶もありません。

私は上京後はろくに顔も見せませんでした。

今、祖父の気持ちが痛いほどわかる気がします。なぜ返事を書かなかったのか。後悔で涙が止りません。(東京都・30代女性)

▼やまのぼ回答▼

「人間は二度死ぬ」

タレント、作詞家、随筆家であり、元放送作家でもあった、永六輔さんが残された名言です。

人間は肉体が滅び、医学的に死亡が確認されたときだけでなく、その後、皆の記憶の中から消えたときに、もう一度死ぬという意味です。

誰かが記憶にとどめていてくれる限り、たとえこの世にいなくても、その人の心の中で生き続けていることになるのです。

つまり、二度目の死とは、全ての人の記憶から忘れ去られたときなのです。

だからお爺様は、ご相談者の心の中で、眠っていておられただけなのです。
お爺様のお手紙との邂逅で、お爺様は二度目の死を迎える前に、蘇生されたのです。

あなたが、お爺様の優しさに痛感できるほど、心の優しい人間に成長されたということを、心の中のお爺様は、きっとお慶びのことと思います。

人間は肉体が滅んだ後も、こうして愛する人の心の中に宿り、影響を与えられる偉大な存在なのです。

後悔で涙など流す必要はありません。

人間は、後悔することで成長する生き物です。

不肖・やまのぼ のオリジナル格言で恐縮ですが、

「後悔というカイは、世間の荒波を進む力強い櫂になる」

ということです。

いつまでも、お爺様を記憶の中にとどめ、子々孫々へ語り継ぎ、二度目の死を迎えさせないようにしてあげることが、感謝のこもった返信になるのです。


★次回の【勝手に人生相談 No.46】は、和歌山県・20代女性のご相談です。「資格しか価値認めない母」を、予定しております。★



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