見出し画像

なぜキッシーさん編集のスピ本は売れるのか?1本目

この記事は30分のラジオインタビューの音源と、その要約を文字で読むことができます。

私は読書が苦手です。
ただ、読みやすい本はあります。
読める本と、読めない本。何が違うのか?その謎が解けました。
  
岸田健児さんって、何者!?
・サンマーク出版の人気編集者
http://sunmark.co.jp/blog/wp/recommends/?reccd=00021&page=1


・数々の人気スピリチュアル本を担当
『0Rei』さとうみつろう著
https://www.amazon.co.jp/dp/4763137425/

『命日占い』かげした真由子著
https://www.amazon.co.jp/dp/4763138324/

『かみさまは小学5年生』すみれ著
https://www.amazon.co.jp/dp/4763136828


<インタビュー要約>
なぜキッシーさん編集のスピ本は売れるのか?

ゲスト 株式会社サンマーク出版 編集者 岸田健児氏

富田:岸田健児さんのプロフィールを紹介させて頂きますと、
1985年生まれ、三重県出身、古本屋を経営する祖父の影響を受けて、
青春時代を「身の回りにあふれる疑問採集」に捧げる。
その後、大学では物理工学を専攻し、量子力学と出会う。
これを機にスピリチュアルへの扉を開ける。
大学卒業後にワニブックスに入社し
2010年ベストセラーとなった『神様とのおしゃべり』を手掛ける、
2017年現在のサンマーク出版に転職。
35万部を突破した『神様は小学5年生』を筆頭に
『悪魔とのおしゃべり』7.5万部、
『しなくていい我慢』10.5万部など数々のベストセラーを輩出している。


富田:キッシーさん流のタイトル決めのコツってありますか?

岸田:僕は違和感を大事にしています。
書店に行ってその本と目が合う瞬間ってたぶん1秒もないんですよ。
本がたくさんある中で、読者の心をつかまなくちゃいけない!となると、
普通のタイトルだと心をつかめないと思っていて。
「なんか見たことない」「なんか変だぞ」と思わせるようなタイトルをすごく意識しています。

富田:きっしーさんの本はスピリチュアルなものが多いと思います。
普通スピリチュアル本は少数派の人にウケるイメージですが、
冊数が多く売れているってことは、一般的な人にも受け入れられているのかなと思います。
何か工夫されているところがあるのでしょうか?

岸田:本によってやり方は違うのですが『神様は小学5年生』が、
なぜスピリチュアル層以外に響いているかというと、売り文句を変えているんです。たぶんスピリチュアル的なキャッチコピーだと『体内記憶を持つ女の子の幸せの法則』みたいな。とてもスピリチュアル的になりますよね。

富田:なんだか難しそうな感じがします。笑

岸田:そうそう。言い方は悪いけど怪しいとか、そういう感想を抱かれるかもしれない。
今回これにつけたキャッチコピーは「涙がこぼれる不思議な実話」。
単純に泣ける話だよっていう入口を作っているんですね。
それによって単なるスピリチュアル書から、エッセー、物語っぽい気配が
してくるんです。
そういうことから普段スピリチュアル本を読まない人も手に取った。そんな感じです。

富田:なんとなく、読みやすそうな感じがします。
私、あまり本を読めないんです。

岸田:僕もです(笑)だから自分の編集に生かしているという所もあって。
自分でも読める本をつくる、というのもあるかもしれない。

富田:出版プロデューサーのジャイアン吉田(吉田浩)さんが絵本作家になる人に向けて「君はこれから世界一厳しいお客さんを対象にしていくことになる」と仰っていました。
1ページ見て面白くなかったら彼ら(子ども)は本を投げ捨てる…みたいな。
大人だったら「せっかくお金を出して買ったし」とか「これベストセラーだし」と、頑張ってみて、もうちょっと読めるんです。
でも、子どもは本を渡して、つまらなかった時点で終了じゃないですか。

岸田:本は読者が読まない前提で作っています。
その人が読まない理由ってこれだよな。この理由をつぶすしかないよな…本に生かそう。
そういう作り方はしているかもしれないですね。
「涙がこぼれる不思議な実話」というキャッチコピーを付けたのには理由があって…。
僕の上司である金子さんがミリオンセラーになった『鏡の法則』という本を作った。
この本の内容は、結構スピリチュアル的なんですよね。
あなたが見ている世界はあなたを写し出しているみたいな話。
これは僕が大学の時に売れていた本で、
スピリチュアルに全く興味がない僕の父が「この本超泣けたんだよ」って
紹介してきたんです。
僕からしたらすごくスピリチュアルな本、でも父親にとっては泣ける本、
という口コミになっている。これはすごいな…って思って。
本来持っているテーマとは違う広がり方をしているぞ。
これが原体験になって、
今回そのキャッチコピーをつけたという感じですかね。


富田:体内記憶を全面に出すではなくこれは温かくて泣ける本だよって出していった。そういう仕掛けをいろいろやるのが編集者さんなんですね。

岸田:そうです。読む理由を作るというのが編集者なのかな。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?