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  • 知人には話せない話

    家族、友達、職場、趣味仲間、同級生、隣人…自分の日常生活で自分を知っている人に話せない、あらゆる知人の中でも人を選ぶ、人に言えない話ってありませんか? 僕にはあります。 説明するのも難しく、正直なところ誰かに話したいと思う反面、恐らく話せば色々な人間関係の問題が起きるので、言えない。だから、知らない人に話した気になって、この混乱している今の気持ちを収めたいとおもいます。

最近の記事

知人には言えない話 その3

母が亡くなり、通夜と葬式の日取りが決まる。 それを、友人たちに伝えた。 現役で大学卒業すると、社会人2年目が始まり、会社も年度が変わり1ヶ月。若い世代には特に忙しい時期だろう。今思えば悪かったと思うが、その時は自分から伝えないと失礼だという一心で連絡を入れていた。人伝に聞くのは申し訳ないと思ったのだ。 反応は人それぞれだったが、幼少期からの友人達はみな、言葉にならない様子であった。 俺のお母さんと言えば、暮らしていた地域では割と有名人。元来の世話好きで、学校から帰ると近所のお

    • 知人には言えない話 その2

      自分の心の中の裏の自分というと、多重人格者と考えられるかもしれないが、そういう訳ではないと思ってはいる。 誰だって本音と建前は存在しませんか? だから、多重人格者で精神科や心療内科のご厄介になるレベルなのかは分からない。 ただ確実にある、いる。違う感覚を持つ自分。 そんな自分が 「俺は家族じゃない」 と目の前の2人と父を思い浮かべて、何度も繰り返している。そして、表向きの自分もこの件に関しては同意をしている。とは言え、嫌いとか憎いとかそういう訳ではない。 変な話かもしれないが

      • 知人には言えない話 その1

        「俺は家族じゃない」 目の前の光景を傍観していて、心臓から流れていく血が墨汁のような色をして体全体に広がっていくような気がした。 弟と妹の2人がタバコを吸いながら、昨日知った父の病気とこれからについて話している。 それを見てやはり、 「俺は家族じゃない」 となお一層、色を濃くしていく。 12年前に亡くなったお母さんが最初に癌と発覚した頃、実家から遠く離れた場所で大学生活を送っていた。お母さんが癌と聞かされた後も、父から 「お前は大学生をしっかりやれ」 と言われたものの

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