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髪を切ることへの抵抗感。

小学生だった頃、僕は「自分の髪を切ること」に抵抗があった。いや厳密に言えば、「髪を切った自分の姿をクラスメイトをはじめとする他人に見られること」かもしれない。あの感覚は、いったい何だったのだろう。

まずひとつ、新鮮なものを見るような他人の眼差しにそわそわした記憶がある。きっといわゆる自意識過剰だっただろうが、「アイツ髪切ってきたぞ」と見られることが恥ずかしかった。「切ったんだね」と誰かがはっきり言葉にすることはなくとも、それなりの視線を感じたことを覚えている。そんな感覚に怯えて、僕はなかなか髪を切る決心をつけられないこともあった。

そしていま思えば、髪を切りたくなったとて「どうせ恥ずかしい思いをするんだよなあ」と、毎回ネガティブな思いに苛まれていたのもあるだろう。カットしてくれる人に、自分の希望を上手く伝えられないというコミュニケーションの実力不足がおもな要因だ。そもそもヘアスタイルの種類やなりたいスタイル、もっと言えば自分がありたい姿などのアイデアにも乏しかったのかもしれない。知識やアイデア、あるいは経験の少なさが、僕を恥ずかしい思いへと追いやっていたのではないかと思う。

なんてことを、今日まさに小学生の頃にお世話になっていた理髪店へ行ったときに思い出した。いまはむしろ、自分が髪を切ったときの反応を見ることに、楽しみすら覚える。良い変化だ。ひょっとしたら、これを成長と呼ぶのかもしれない。

いつもいつもありがとうございます〜。