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正さんの子育て 3 キャンプ地を決める

わが家のキャンプは毎年海で10日から二週間でした。
このキャンプが一年で唯一のわが家の家族遊びでした。
毎年お正月に、居間の大きな日本地図を見ながら、みんなで行きたい海を決めました。決めると正さんが近くの役場に電話して、海岸にキャンプ場があるか確かめました。50年以上前ですから、今のように情報は何もありませんでした。
場所がはっきり確定すると、息子が本屋さんに行ってその場所の地図を買ってきました。キャンプを始めたころはの息子は、まだ小学校の2.3年のころでしたから、買うのに苦労したと、今では思いますが、当時の私たち親はそのようなこと、気にもしませんでした。
夏までの夕食の時は、夏休みのキャンプの話で盛り上がりました。私はキャンプに必要なものを夏までかかって少しずつ買いました。
二人目の子供ができたころに、正さんは仕事を辞めて、自宅で文筆業をしていましたから。日程は自由に組むことができました。
キャンプの朝は3時半ごろ起きました。
正さんと息子は車に荷物を詰めました。何しろキャンプ2セットと道具、シュラフ5つ、最小限度の5人分の着替えや水着バスタオル、基本的な食糧など大変な量でした。車の屋根にもいっぱい積みました。この仕事は正さんと息子の仕事でした。朝から汗びっしょりでした。
私と娘は朝ごはん用に、パンやそれに挟むハム野菜や茹で卵など包み、お昼の大きなおにぎりを20個以上握りました。卵焼きや肉やちくわなどいためてお漬物など、何でも家にあるものを包みました。お茶は麦茶をいっぱい沸かしまし、牛乳の大きなパックを詰めました。犬はドッグフードとパンと牛乳でした。
子供たちは、自分でできることは何でも一生懸命に手伝っていました。何しろ楽しい海が待っているのですから。末っ子娘も、役立たないのですがなんだか一生懸命に何かを車に運んで正さんや息子に渡して、嬉しそうにしていました。とにかく全員大張り切りでした。
大体朝の5時ごろ出発しました。
今のように便利なサービスエリアはありません。それにわが家は豊かではありませんでしたから、朝食やお昼はすべて手作りでした。
これが長く続いたわが家のキャンプでした。
キャンプではいろいろなことがいっぱい起こりました。

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