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「化け猫あんずちゃん」を2回目観た。なんて楽しい舞台挨拶なんだろうか。久しぶりのトリウッド。


映画「化け猫あんずちゃん」2回目、観る。大好きな映画だ。場所は下北沢トリウッド。山下監督を中心とする実写班が撮影した映像と音声をもとに、久野監督を中心とするスタッフ陣が動きや表情を抽出してアニメーション化する「ロトスコープ」という手法で描いているそうである。

その手法は本当に不思議で、生きている人の動きそのものであり、そうだ、こういう歩き方しているなあ、こんな表情するよなあ、と思うような懐かしさがある。

化け猫のあんずちゃんは、時々猫だけど人間ぽい情や怒りや、あきらめや、色々な感情を持った人間くさい猫だ。だから子どもたちが懐く。「アニキ」と呼ばれ慕われている。仲間の化け物たちをもてなすなど、甲斐甲斐しい面もある。面倒臭さそうでいて、愚痴愚痴しながらも、自分がしてあげた事に対しての見返りを求めてしまうようなところが妙に親近感を持ってしまう。そんなでこぼこさに魅力を感じてしまう。

かりんちゃんはひねくれてしまっているようにも見えるが、物語を動かしていく力を持つ子だ。時には上目遣いで、悲しげな表情で、気持ちを目線で語り尽くす。そして行動力が凄い!

私は個人的に仕事が決まった! とうかれながらも結局は色々うまくいかない緑のジャージのあの人がなんというか、すごくいいなあ、と思った。だって世の中は大変なんだから、浮かれて楽しんで、でも結局落ち込んだってダメだっていいはずだ。

臨場感がたまらない場面があった。カーチェイスは手に汗握るし、神社の場面ではなんというか、人が折り重なるような厚みや重厚感があった。

貧乏神はどこまでも魅力あるキャラクターだった。

和気藹々。

舞台挨拶は豪華な面々と、驚きのエピソード満載!!

上映後の舞台挨拶は既に飲んで明るい水澤紳吾さん、地獄の閻魔大王の宇野祥平さん、柔和な表情の青鬼、前野朋哉さん山下敦弘監督、久野遙子監督。
「まずは自己紹介を、、」と司会の方が言いかけると
「はい、僕からいきます!」と挙手をし元気よく話し始める水澤さん。「もう飲んでます!」と言うと「うん、皆わかっていると思うよ」と山下監督。映画は家族で観に行ったそうで、お子さんが登場人物のカエルちゃんが大好きで、登園時に鳴き真似をしながら親子で会話しながら行くので、今日は「げろげ〜ろ」という声をとらせてもらおうと思っていましたが。と、残念そう。(登壇予定のカエルちゃん、吉岡睦雄さんは撮影の関係で到着が遅れていたが、最後登場)

青鬼の前野さんは、神社の場面を振り返りかなりぱつぱつのタイツで、宇野さんに「しきりに気にしてタイツを触っていたよね」と突っ込まれていた。お子さんと一緒に観に行った時に「お父さんを当てたらお金あげる」と言い皆に「それで?当たったの?」と興味津々に問われ「でも当たりませんでしたね」と言っていた。宇野さんは、閻魔大王の顔が宇野さんそっくり!と言われて、と明かし久野監督が「はじめはもっと違う雰囲気だったんですけど、だんだんキャラクターが寄っていった」という経緯を披露。山下監督は「海外での反響としては、貧乏神あれはやばい、と皆が言うらしく」というエピソードを披露。「貧乏神という概念は海外には無いのかも?だからこそ面白いよね」といった話しにもなっていった。神社の場面は、ランボルギーニをひっくり返す部分で、実際にはダンボールが使われていた事など裏話がたくさん聞けて、しかもトリウッドは観客と演者の垣根が無い近い感覚で見れるので、本当に楽しくて仕方ない舞台挨拶だった。

わちゃわちゃ楽しい。

サイン会と帰り道。数分で気持ちや感想を伝えられるような人になりたい。

最後に「ゲロゲ〜ロ!」と後方から響き渡る声が。かえるちゃんこと吉岡睦雄さんが、駆けつけてきてくれ、場内更に熱気に包まれる事に。やはりホロスコープのすごいところは、アニメの中に実物の動きが投影されているからか、その登場人物が目の前に居るような感覚になる。

劇場で久しぶりの再会もあり本当に「懐かしく」なるという感情にぽよぽよとしたのと、色々考えながら行ったけれどこれっぽっちも、ひとことも気の利いた事を言えずにうなだれて帰路につき、自己嫌悪の泥沼に浸りながら、数年ぶりにお酒を飲み、うわああ、私のばかばか、と思いながらも忘れられない映画が増えたし、良い夜だったな嬉しい。とも思って帰宅したのだった。

映画や劇場って本当にずっとずっとあり続けて欲しいな。



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