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ペーパーマリオRPG(Switch ver)

■ゲーム内容
元は2004年に発売されたゲームキューブのソフト。グラフィックや一部遊びやすさが向上している。
ペーパーマリオシリーズの2作目で、前作マリオストーリーのゲームシステムを引き継いだ正当続編。

■感想
オリジナルのゲームキューブ版はほとんど遊んでいないので初見となる。
又、前作マリオストーリーからの進化という観点での感想です。
今作もちゃんとクッパにもスポットライトを当てている事が個人的には好ポイントでした。

▼良い点
・前作と比べてレベルアップしやすくなっている
前作はMAXレベル30だった為、非常にレベルが上がりにくくRPGの一番気持ちよいレベルアップ体験が少なかった。今作は上限が上がった事に意識的にレベリングしていなくともラスダンで30近くまで上がる。
レベルが上がりやすくなると何を強化するのか・バッジの組み合わせはどうするかというカスタマイズの幅が広がりやすい。自分で戦略を練って攻略するのはRPGの醍醐味の1つだと思う。
・キャラ1人1人の専用メッセージがある
マリオは喋れない為、シーンごとにお供しているキャラが状況説明を含めたセリフを展開してくれる。全仲間ごとに用意されているようで一緒に冒険している感が強まる。何なら2週目もやってみたいと思わされた。
テキスト量は非常に多くなっただろうが、そういった一手間が深みを与えるために重要だったりする。

▼改善できそうな点
・テンポ感が悪い
良く言うと丁寧に1つ1つの処理をユーザーにちゃんと見せている。
これはターゲット層を考慮した仕様ではある。例えばレベルアップによる回復ボーナスのシーケンスでは、HPの回復演出・その後FPの回復演出・そしてスターポイントの回復をゆっくりと1つ1つ丁寧に行う。
これらが同時に起こるとゲームに慣れていないユーザーは何が起こったか理解できない可能性がある。それを避けるために一つ一つの動作を順番に見せる仕様を取っている。
他にはコマンド入力を行う際に新しいウィンドウが出るタイミングでは数Fの間入力を受け付けなくなっている。これは良く分からず連打していると知らないうちに攻撃してしまったり意図しない選択になる事を避けるための細かい気配り仕様。

非常に任天堂らしい仕様だなぁとは感じる。
が、RPGの特性上↑の操作は何度も何度も繰り返す事になる。
したがって後半にもなると大半のユーザーには煩わしい待ちの時間となってしまう。
丁寧を意識し過ぎたゆえにテンポ感を損なってしまう分かりやすい例だと思う。
両立させるなら、オプションで速度をいつでも変更可能にしたり、演出は連打でスキップ可能にするなどの対応は考えられる。
一番良いのは、そもそもテンポ感を損なわずにユーザーが理解できるような仕様とする事。言うは易し行うは難しだが。

・劇場というテーマに引っ張られ過ぎている感
バトルは劇場の舞台で行い、それを観客が見ている図になるのだが、たまに敵が攻撃してきたり、舞台セットが倒れてダメージを与えらる事がある。
前者はコマンド選択中に突然「一定時間内に表示されたボタンを押す」遊びを強要してくる。失敗するとダメージを受けるので対応するが、その対応のたびに演出がちゃんと流れ、これもまた待ち時間となる。
後者はハンマーで攻撃することで舞台が揺れてセットが倒れ敵が下敷きになったりする。問題は発生するタイミングが唐突なので戦略に組み込めず、非常に受動的な仕掛けになっている。
このあたりは「舞台でのバトル」というコンセプトを守ろうとした結果なのだと感じる。コンセプトがそうなのだから、舞台である意味を見出さないといけない。という開発者の脅迫概念の元に作られた機能のように感じる。
らしさ。は大事だが、それよりもゲームとして面白いかどうかを優先すべき例だと思う。
ターン式のRPGであれば、観客への対応・舞台装置への関与は1ターンかけて行うものにすべき。その上で見合ったリターンを得られるようにすれば、RPGとしての戦略要素にも組み込めるし、ゲーム的な意味も出てくる。

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