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「自分ならこうする」という観点で他人の作品を批評したり、感想を言ったりするということ

芸術に正解なんてないんです。
不正解はあるらしいけど、まあ一般人には中々分からないので。

創作活動者同士で感想を言い合う機会

創作活動をしている中で、他者からの感想を頂いたり、他者に感想を送ったりすることは何度かあります。
運良く切磋琢磨するような関係性の同業活動者と出会った日にはお互いの作品の感想や批評による交流などを行うこともあります。

正直言うと感想や評価って
相手の顔と心を覗きながら相手が欲しそうな言葉と内容を選んだ結果】
みたいなコミュニケーション技術になる側面もあると思ってますが
今回はこの話は脇に置いておきますね これ考えると自分が何も言えなくなっちゃうので

せっかくなので相手の糧になるようなことを言った気分になりたい

なにかの感想を貰えるだけでも「読んでくれた」「反応をくれた(少しでも心を動かすことができた)」という心の活力、活動のエンジンになるといえばそうなのですけど、せっかくなんだし今後相手が生み出す作品がより良いものになってくれるよう何かしら気の利いたことが言いたいものです。

言えるのであればその作品、作者の良い点や今後も続けてほしい作風や表現、および悪い点や改善改良の余地などを言うことで(特に後者)、心だけでなく技術面でも立派な糧になることでしょう。
しかし果たして、自分が感じた悪い点や改善の余地は本当にそうなのかという疑問は残ります。

なぜなら芸術に正解はないので。

もうちょっとキチンと言うのであれば、良い点悪い点などは(あんまりにもあんまりである場合を除き)単なる個人の感想であるため、自分が悪いと思った点を他人が悪いと思うかどうかは分からないという点、極端に言うなら「自分が悪いと思った点は、実は自分しか悪いと思っていなかった」ということもありえるのです。
ここでこれを指摘して改善させてしまったら、相手の味を一つ消してしまうことになります。七味唐辛子が六味唐辛子になってしまいます。大変だ!

しかし、そういうことばかり考えていると言葉を選んでしまったり気の利いたことを考えこんでしまったりして、貴重な感想を言ったり貰ったりする機会を失ってしまうことになってしまいます。それは非常にもったいないことだ!!

「自分ならこうする」という言い方、見方、考え方

ということで、あなたもわたしも創作者!という間柄であるのであれば
悪い点の代わりに「自分ならこうする」という観点での感想・批評をすると良いでしょう。あ、「自分ならこうします」ですね

少し考えてみると、ただの「『悪い点・改善点』の言い換え」ではない、いくつかの利点があります。

  • 受けた相手が取捨選択を選べる

  • 抽象的ではなく具体的な内容になる

  • 自分の好きなものや作風、表現技法を見直すことができる

受けた相手が取捨選択を選べる

逃げと言ってしまえばそうなのですが、ここで言う内容は「悪い点・改善点」ではなく「自分ならこうするという点」であるため、それを受ける相手はあまり真摯に受け止める必要がなくなります
なぜならここでいう「自分」は書き手であり受け手ではないので、「あー、あなたはそうするのね。自分はそうしないけど」という事もできるし、「なるほどこの人はそういう観点で物事を考えているのか。取り入れてみよう」とか、「言ってる内容はピンとこないけど、その観点は分かるから自分でも取り入れてみよう」ということもできます。この内容は悪い点としての内容ではないので。

抽象的ではなく具体的な内容になる

当事者にならない場合、極端な話「なんだかわからないけどこの書き方は良くないと思う。よく言えないけど改善したほうが良い」という害以外の何にもならない感想をぶつけることさえできます。ただし「自分ならこうする」という考え方をする以上、「どういった点が良くない点で、自分ならどういうふうに改善するか」ということを具体的に記載することになります。
これは受け手としても有用な感想・評価になる可能性が高いものになるでしょう。さらに上述したとおり評価の取捨選択ができるため、欲しい栄養素だけ摂取することができます。

自分の好きなものや作風、表現技法を見直すことができる

「自分ならこうする」という考え方は、つまりは「人の作品を自分の好きなように書き換える行為」なので、ひいては他者への感想・批評を通じて自分の『好き』や『作風』を見直すことができるということになるのです。
他人へ感想を送ることができ、自身の作品の糧にもなり、一石いっぱい鳥ですね!

まとめ

今回は「創作者同士で感想を言い合う際に『自分ならこうする』という観点で感想や評価を言うことで、色々とメリットがある」という話をしました。

冒頭でも言いましたが芸術に正解はありません。(例外あり)
また、内容の質如何に関わらず感想を貰えるということだけでも心の栄養になります。(例外あり)

あなたが創作者で、切磋琢磨する相手へ作品の感想を送るときの
考え方の一つとして役立てていただければ幸いです。

ちなみに

  • そういう観点でない感想(お前の作品はここが悪いとかここが駄目とか)を貰ったときでも、心のなかでこういうふうに置き換えると少しばかり心へのダメージを減らすことができます。

  • マジでタメになる貴重な指摘などもありますので、すべての感想をこの観点として受けていると成長速度への影響が多少あるかもしれません。心のエンジンやダメージと相談して使い分けてください。

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